モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

マンゲツ・ロウバイ(満月蝋梅)の花

2009-02-08 08:20:28 | その他のハーブ

(写真)マンゲツ・ロウバイの花


「ロウバイ」です。
梅・桜・桃同様にバラ科サクラ属の仲間のように見間違いやすいが、ロウバイ科ロウバイ属の花木で、早いものでは12月末から咲き始めるうれしい花です。

似たような黄色い花で「オウバイ(黄梅)」というのがあるが、花弁が6枚なので梅でもなくまたロウバイでもなく、ジャスミンの仲間でモクセイ科に属し中国では迎春花と呼ばれているものがある。ジャスミンの仲間なのに香りがしないというからこれも不思議だ。

ロウバイの基本種は、花の中心部が暗紫色だが、この花は「マンゲツ・ロウバイ(満月蝋梅)」といい花の中心部に薄い紫色の輪が入り、これを満月と見立てて名前がついた。
作出されたのは、埼玉県川口市にある安行の植木屋さんといわれており、安行は、植樹園が多く有名なところだ。一度いって見たがあまりに多くの植木屋さんがあり驚いてしまった。

ここで苗木を買い車に詰めるだけ積んできたがいまでは全てなくなった。梅、モミジ、竹・・・など和風なものがカミサンに嫌われてしまったためだが、いつしか私自身も魅力を感じないようになってしまったので教育されてしまったのだろう。教育されるということは恐ろしいことだ。カミサンも恐ろしいが・・・・・。
そのカミサンはいまでは花々に関心がなくなり勝手次第にできるわが世の春を迎えることが出来ているからこれまた“いとおかし”というものだろうか?


ウメ、スイセン、ジンチョウゲ、ボタン、そしてロウバイ。
これらに共通するのは、冬から初春の花であり、また香りに特徴があり、中国で好まれる花という。中国では、香りが強いものを好む傾向があり、煉瓦・土壁作りの住居形式、魚介類・獣肉類を油で調理する食生活など日本と異なる環境の違いが影響しているようだ。
日本でも歩く香水といわれる人が増えてきているが、食生活の欧米化が影響してきているのだろう。

人類の祖先は、弱く臆病だがゆえに脳が発達したといわれている。脳に外界の情報を送るセンサーは五感とも六感とも言われるが、視覚だけが突出して発達し、嗅覚が弱体化しているとも言われている。賞味期限で食べれる食べれないを判断している人はまさに視覚だけに頼り、味覚・嗅覚が衰えている証明かもわからない。
嗅覚を活性化させるためにも香水などはいい塩梅にしてもらい、花の香りを愛でてもらいたいものだ。

春の花は香りも美しい。
個人的にはロウバイの香りは良しとしても、歩く香水にはロウバイ(狼狽)する・・・。

(写真)マンゲツ・ロウバイのつぼみ


マンゲツ・ロウバイ(満月蝋梅)
・ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木
・学名は、Chimonanthus praecox 'Mangetsu'。属名は「Cheimon(冬)+Anthus(花)」が語源で冬の花を意味する。種小名のpraecoxは、「早期の、早咲きの」を意味する。
・花色が蜜蠟(ミツロウ)に似るので蠟梅という名がつく。漢名は蠟梅だが和名はその音読みからロウバイ。
・原産地は中国。湖北、江西地方。
・樹高は、2-4mで、早春に葉に先立って枝の節に花が咲く。
・葉は対生で15㎝ほどの卵形のザラザラした手触りの葉がつく。
・開花期は梅と同じ時期であり、1-2月頃。芳香があり梅と似る。
・ロウバイは、花色が内側が暗褐色で外側が黄色。マンゲツロウバイは、内側に淡い紫色の輪ができる。
・日本には、江戸時代初期に中国から渡来し、18世紀中頃にヨーロッパに伝わる。
・中国では、ウメ、スイセン、ツバキとともに雪中の四花とされているそうだ。
・マンゲツロウバイは、2002年に登録されたロウバイの園芸品種で、埼玉県川口市の安行の植木屋で作出されたという。

ロウバイをヨーロッパに紹介したのは、1690年に来日したドイツ人の医師ケンペルで、1712年に著書『廻国奇観(Amoenitates Exoticae)』でRobai(ロウバイ)と日本名で紹介している。ということは日本には江戸時代の初期に朝鮮経由で中国原産の種子が入ってきたという。

ヨーロッパに実物が入ったのは、1795年にイギリスに入ったといわれており、モダンローズの祖ともなっている中国原産のコウシンバラと同時代に伝わった。

ロウバイの命名者は、ドイツの植物学者で、19世紀最後の科学者とも言われているリンク(Link, Johann Heinrich Friedrich 1767-1851)。ベルリン植物園の園長を彼が死亡するまで務め、オミナエシ(女郎花)の命名者でもある。


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2 コメント

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満月蝋梅 (永和)
2021-01-23 12:30:46

キャスパー さん、こんにちは。

自分のブログ記事の蝋梅の 中に、
勝手ながら、、

素晴らしく奇麗な 「満月蝋梅」の
紹介画像として使わせて頂きます。

一方的で、申し訳ありませんが、
よろしくお願いいたします。
永和

返信する
永和さん (キャスパー)
2021-01-23 20:22:41
ご丁寧にご連絡ありがとうございます。
使えるようでしたらご利用ください。
返信する

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