モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

紫系のクロッカス・ヴェルヌス(Crocus vernus)の花

2009-02-17 03:46:47 | その他のハーブ
どうも朝まで飲むと時差ぼけのようになり風邪薬を飲んだとうそをつかなければならない誰かさんのようになる。カミサンからは大丈夫という慰めどころでなく叱責を受けてしまう。
「辞められるなら辞めてみたい深酒とお小言」(日本国材無相)
「辞めろといわれても辞めさすわけにいかない次自分」(日本国想離大臣)

さて気分を変えて
(写真) クロッカス・ヴェルヌスの花


クロッカスの基本種である紫色のクロッカスの花が咲いた。
早咲きの黄色系のクロッカス・クリサントゥス(Crocus chrysanthus)より1週間ほど遅れての開花であり、春咲きクロッカス或いはムラサキサフランとも呼ばれる。

この種は、英名では「Dutch Crocus」と呼ばれ、オランダで園芸品種が開発された重要な種となる。

クロッカスの歴史
クロッカスは世界に約80種と多数の園芸品種があるが、チューリップと同じ経路でヨーロッパに入ってきたという。

最初のクロッカスは、1560年代に神聖ローマ帝国のトルコ大使ブスベック(Ogier Ghiselin de Busbecq 1522--1592)によりオスマントルコ帝国のコンスタンチノープルからもたらされた。ブスベックは他にも植物を持ち込んできていて、チューリップ、ライラックなどが知られている。

また、ブスベックは、フランス人の植物学者で1573年にウイーンの帝国付き植物園を作り、後の1593年にオランダ・ライデン植物園を作りその初代園長となったクルシウス(Carolus Clusius1526-1609)にも球根を送り届けた。

クルシウスは球根に関心があり、スイセン・ユリ・チューリップ・アネモネ・イリス・ラナンキュラスなどの新種をヨーロッパに広めたヒトとして知られている。
ここからオランダが世界の球根類を生産するセンターとして発展していくことになる。

クロッカスの記録上の歴史は新しいが、秋咲きのサフランの歴史は相当古く、紀元前15世紀のクレタ文明は、黄金に匹敵するほど高価なサフランが支えたといわれる。わずか1グラムのサフランを得るために千個以上もの花を集め、その雌しべの柱頭を乾かして得たというから貴重なものこの上ない。

クロッカスは、明治時代に日本に伝わってきたが、サフランの方は江戸時代に伝わり平賀源内の『物類品隲(ぶつるいひんしつ)』(1763)に紹介されたのが初めてのようだ。この本は、源内が日本ではじめて開催した物産展(いまでいうところのコンベンション)のカタログというべきものであり、鉱石・動植物など広く薬用となるものをとりあげている。またサフランは、スペイン料理のサフランライスだけでなく、婦人薬「中将湯」の主原料として使われているという。

(写真) クロッカス・ヴェルヌス


白・紫系のクロッカス・ヴェルヌス(Crocus vernus)
・アヤメ科クロッカス属の耐寒性がある多年性の球根。
・黄色系以外の原種の学名は、Crocus vernus J.Hill。クロッカスの総称は、Crocus L. (1753)、英名がDutch Crocus、Common Crocus。和名は、晩秋に咲くサフランに対して、春に咲くので「春サフラン」、ムラサキサフラン、或いは、花を楽しむ園芸品種なので「花サフラン」とも呼ばれる。
・原産地は中部ヨーロッパの山岳地帯に生息する。
・球根は、9-11月に植え付け2-4月に開花する。基本種の花色は紫だが園芸品種が開発され様々な色がある。
・花が先に咲き葉はその後に茂る。葉が黄色くなり枯れたならば、球根を堀上乾燥保存するが、そのままにし陽の当たらない軒下で保存したが問題なく開花した。
・水はけが良い、日当たりの良い場所が適地。
・花が終わると葉が茂るが、これを切らないで球根に栄養を与えるようにする。また花のお礼の肥料を与える。
・同じ属にあるサフランは秋咲きで、香辛料・薬用として使われ、グラム単価が非常に高価なものだ。

Crocus(クロッカス)は、ギリシャ語の「Krokos(糸の)」からきており、めしべが糸状に長く伸びることに由来する。また、神話上の青年の名前に由来するとの説もある。
種小名のvernusは、ラテン語「春の、春に開花する(spring)」を意味する。

この基本種の命名者は、ヒル(Hill, John 1716-1775) 。英国の多才なライターで、薬剤師の見習いから出発し植物学を独学で学び、リンネ式の植物分類法をイングランドに導入する伝道師的な役割を働いた。彼の著作「The Vegetable System」で1774年にスウェーデン国王から爵位をもらう。



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