(引き続き)
===== 3.サルビア・ヤメンシス =====
(写真5) ヤメンシス・サーモンの花
ヤメンシスは花色が豊富だ。イエロー、オレンジ、パープル、赤紫、ピンク,サーモン、イエローサーモンなど7種を栽培しているが、30色以上ありそうで24色が基本のクレヨンなどの色彩よりも豊富でなおかつもっと花色が出現しそうだ。
園芸店では、チェリーセージという名前で販売しているが、葉を見るとサルビア・グレッギーと異なることに気づく。ヤメンシスの葉は、小さくて緑色の光沢がある卵形の葉であり、シワシワがあるグレッギー及びミクロフィラの葉とは異なる。
サルビア・ヤメンシスの発見は、
ジェームス・コンプトン(James Compton)、マーティン・リック (Martyn Rix)、 ジョン・ダルシー(John dArcy)によって、メキシコのヤメ(jame)の町の近くで1991年に発見された。彼らは、形が異なる30種を収集し、耐寒性が優れた7種の栽培品種を発表した。
ヤメンシス(Salvia x jamensis)の名前は、発見した場所のヤメ(jame)にちなんでいるが、発見者ジェームス(James)をも踏まえて名付けている。
親であるサルビア・グレッギーが、アメリカの歴史学者グレッグによって発見されたのが1848年だから、約150年近くも遅れて発見されたことになる。
ジェームス・コンプトン(James Compton)は、英国の植物学者で、Chelsea Physic Garden,の最高の庭園管理者だったが、彼は、同じ1991年に真っ赤な花を咲かせるサルビア・ダルシー(Salvia darcyi)をも再発見し、英国の植物学者ウイリアム・ダルシーにちなんで名前をつけた。
本来的には、Yucca Do Nurseryの採取者が先に発見していたが、キュー王立植物園に信用がなかったので、コンプトン発見となったようだ。
身内でないものが信用を獲得することはいかに大変なことかがこのケースでわかる。信用という概念自体排他的であり、この獲得コストは尋常ではないが、獲得に当たってのプロセスはグローバル性がありコモンセンスとして共有化できそうだ。
(写真6)ヤメンシス・サーモンイエローの花
===== 4.チェリーセージの区別整理と栽培メモ =====
チェリーセージといわれる3種の区別は、次のように整理できる。
・グレッギー(Salvia greggii)標高1500~2800m。1848年 グレッグが発見
・ミクロフィラ(Salvia microphylla)標高2400m~。1885年 プリングルが発見
・ヤメンシス(Salvia xjamensis)両者の交配種、種類多い。1991年 コンプトンなどが発見
ヤメの峡谷では、谷底から頂上に向かって同じようなチェリーセージが咲いていたが、頂上に向かうにつれて花の色彩が豊富であり、この点に疑問を持ったのがコンプトンたちだった。
(写真7)ヤメンシス・イエローの花
チェリーセージ(Cherry Sage)、(サルビア・グレッギー、ミクロフィラ、ヤメンシス)
・シソ科 アキギリ属(サルビア属)の耐寒性がある宿根草。霜を避ければ外で越冬する。
・学名は、Salvia greggii(S.グレッギー)、Salvia microphylla(S.ミクロフィラ)Salvia xjamensis(S.ヤメンシス)。
・英名がAutumn sage(オータムセージ)、和名はアキノベニバナサルビア。
・原産地は、アメリカ・テキサスからメキシコ 。
・庭植え、鉢植えで育てる。
・草丈は、60~80㎝で茎は木質化する。
・花の時期は、4~11月。
・咲き終わった花穂は切り戻すようにする。また、草姿が乱れたら適宜切り戻す
メキシコには、まだまだ未発見のセージ(サルビア)がありそうだ。
蛇足だが、サルビアは学名、セージは英名で同じことを言っている。シソ科アキギリ属の植物を呼ぶが、日本での使い分けは、一般的にサルビアを一年草、セージを多年草と区分けしたりする。また、薬草として使われていた薬効があるものをセージと限定する場合もある。
私の場合は、セージを使うようにしている。セージには“賢人”という意味合いがありこれにあやかりたい愚人のためでもある。
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