原稿をコピーしてペーストしたが、古いものをコピーして新しいものに上書きしてしまった。しかも保存してしまい新しい原稿が消えてしまった。
悪戦苦闘して履歴がどこかにあるのではないかと探しまくったが出て来ない。
ヒェ~ !!
元原を思い出そうにも思い出せない。
眠い~!! あきらめじゃ~。
敗因は酔っ払い。ではなくて、酔った後に作業をしたこと。
そこで本日の教訓を一言 「酔っ払い、正常と思う心に酔っている。」
(写真)クリスマスローズ・グッタータスの花
栽培し始めてから10年近くになるオリエンタスの園芸品種が咲き始めた。
きらびやかなところはなく、クリスマスローズとしては古風な花だが、結構な大株になっている。しかし、氏素性がよくわからなかったので先祖を探す謎解きをしてみた。
このことに今まで気づかなかったというのもうかつだったが・・・。
園芸品種の祖となっているオリエンタリスには
①オリエンタリス・オリエンタリス(Helleborus orientalis subsp. orientalis)
②オリエンタリス・アプチャシクス(Helleborus orientalis subsp. abchasicus)
③オリエンタリス・グッタータス(Helleborus orientalis Lamarck. subsp. guttatus)
といった3つの亜種(subsp)グループがあるという。
その中で、花弁(=萼)の内側に赤紫のスポットといわれる点々があるのが決め手となり、写真のクリスマスローズは、グッタータス系の園芸品種だと思われる。
というのは、この赤紫のスポットは、オリエンタリスの園芸品種の中でもグッタータスにしか出ないというのでほぼ確定だろう。次は、グッタータスの品種の中で何か?がわからなければならないが今年はここまでとする。
グッタータスの発見
このグッタータスは、1979年に黒海近くのグルジア、アブハジア共和国にあるリゾート地スフミ(Sukhumi)で発見された。発見者の一人は、プラントハンターとして名高いロイ・ランカスター(Lancaster, Charles Roy 1937-)であり、樹木が密集した山脈の石灰岩の多い斜面で見つけたという。
ロイ・ランカスターは、イギリスのマルチ人間で、フリーの作家であり園芸家であり植物探検家でもありテレビラジオのキャスターなどをも務め、植物探検で世界中を回り、中国・日本にもきているという。どうもすごいヒトのようだ。
このランカスターを調べていて面白いことに気づいた。
第二次世界大戦以降の植民地帝国主義が崩壊した時代では、植物探索者をプラントハンターとは言わないようになっていて、代わってプラントマン(Plantsmen)と呼んでいる。訳すと植物人間ではなく、園芸家とか植物家とかになるのだろうが、冒険的で狩人・略奪的意味合いがあるハンターではふさわしくない時代になったせいなのだろう。
ボタニスト(botanist)、ナチュラリスト(naturalist)、ナーサリーマン(nurseryman)、ガーデナー(gardener)など周辺領域にはまだまだ呼称があるが、プラントマンとは面白い呼称で、刈り取り型から育てる意味合いが付加されたようだ。
日本にも世界的に知られた荻巣樹徳(おぎすみきのり)という人物がいる。
クリスマスローズ、バラなどの幻の原種を中国で再発見した人であり、彼を称して“最後のプラントハンター”とか言われているようだが、ご本人はどう思っているのだろ?
彼の植物探索のアプローチ方法は参考になるところがあるので、どこかで紹介してみることにする。
(写真)クリスマスローズ・グッタータスの葉と花
クリスマスローズ・オリエンタリス・グッタータス系
・キンポウゲ科クリスマスローズ属の耐寒性がある常緑の多年草。
・学名は、ヘレボレス・オリエンタリス・グッタータス(Helleborus orientalis subsp.guttatus.)の園芸品種。
・オリエンタリスには3つの亜種がありグッタータスはそのうちの一つ。
・属名Helleborusの語源は、ギリシャ語で「殺す」を意味するHeleinと「食べ物」を意味するboraからなる。食べると危ない毒草である
・イギリスでは、オリエンタリスを四旬節(Lent)に咲くのでレンテン・ローズ(Lenten rose)とも言う。
・オリエンタルス(h.orientalis)種の原産地は、ロシアコーカサス地方・トルコ・黒海沿岸だが、グッタータスは、ウクライナ産で、花弁に赤紫の点々としたスポットが入り、オリエンタリスの中では区別がつきやすい。このスポットは優性遺伝するためスポットを消すことが出来ない。
・草丈20-40cmの常緑の多年草で、花茎の先端に一輪または分岐して二輪の花をつける。
・花のように見える5枚の花弁は、花を保護する萼(がく)で、本来の花弁は退化して蜜を出す蜜腺となっている。
・開花期は2月頃で、ハルザキクリスマスローズとも呼ばれる。種からの場合は開花まで2~3年かかる。
・アルカリ性の土壌を好むので石灰を入れて酸性を中和する。また肥沃な土壌を好む。
・夏場は半日陰で育てる。
・乾燥気味がよいので、乾いたらたっぷりと水をあげる。
・繁殖は株分けをする。
学名の命名者は
学名:Helleborus orientalis Lam. subsp. guttatus (A. Braun & Sauer) B. Mathew
命名者:
Lamarck, Jean Baptiste Antoine Pierre de Monnet de 1744-1829)
Braun, Carl Friedrich Wilhelm (1800-1864)
Sauer, Friedrich (Fritz) Ludwig Ferdinand (1852-)
Mathewは不明
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