TIBと仲間たち

TIB(トロピカルインモラルボーイズ)と素敵な仲間たちのブログです。

あかね

2021-02-05 16:39:16 | ライブ情報
 大学入学共通テストの終わった大寒の日、近所の公園の丘の上にすっくと立ち上がった女子高生がいた。ベンチに座り見上げる友に、夕焼けの西の空を遠く眺めながら、何かを話している。散歩中の、僕とまめには声は聞こえない。
 仮卒となり、同級生は全国各地の大学に受験に散った。閑散とした教室で友と語った、輝かしい未来を、これと信じている夢を。そんな未来が来ないこと、思い描いている何者にもなれないという不安をいっぱい胸に詰め込んで。彼女たちもそんなことを話しているのだろうか?
 結局僕らは予想もしない、とんでもない未来へ向かっていくこととなる。あの時、永遠の友情を愛を誓った人たちは、すでに僕の周りから姿を消したり、数年に一度生存確認する程度になったり。あいつらはまだ夢を見てるのかなあ。夢追い続けてるのかなあ。
 散歩の帰り道、名残惜しそうに、彼女らはまだ夕暮れの中にいた。

あかね

茜さす空に向かって伸びる高圧線
どんな場所へ 僕ら 導くかしらん
きりりとした冬の丘に立つ君
どんな未来を見てたの その瞳で

映画館 五つ離れて座っても
同じビジョン見れたよね あの頃
『寒さがダメ』
『夏生まれだからよ』って
白い息 笑顔 寂しげに

その時すでに僕らに未来はないなんて
知るすべもなく 知りたくもなかった

思い出すと 苦い後悔が 
過去を亡きものにしようとして
決して変えることできぬ闇へ 溶け込んでゆく

茜さす空に向かって伸びる高圧線
どんな場所に 僕ら 導くかしらん


茜雲 風に煽られ 形変え
どんな夢 僕らに描けと
前を見据え 冬の風受ける君
どんな未来でも受け入れる覚悟だったの?

喫茶店 ミルクセーキとドライカレー
同じ話で盛り上がれた あの頃
長い言葉 何を伝えようとしたのか
伝えきれないこと 分かってた

あれからやはり僕らに未来はなかったけど
何かに夢中だったこと 愛おしい

思い出すと 青い想いで
過去は眩く輝いてて
決して今ではできないことを
一人 嘆いている

茜さす空に向かって伸びる高圧線
どんな場所へ 僕ら 導くかしらん

茜雲 風に煽られ 形変え
どんな夢 僕らに描けと

まだ僕らに 何か 描けと 
コメント
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