徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

寒雨の動物園

2009-11-20 | 写真に関するお話


今週は急に寒くなりましたね。
なかでも
火曜日は最も寒く、終日、雨でした。



このあいにくな天候の日に限って
年に一度の学外撮影日。
行き先は王子動物園です。
17人の学生を引き連れて入園。



こんな雨の日に来園するのは
私達だけだろうと思っていたら
小学生の遠足に出会いました。
色とりどりの傘やカッパがカワイイ。


***

動物園での授業は
動物を撮影する事が目的ではなく、
非日常空間で
テーマを設定する事が学習ポイントです。

まず
動物園という空間を認識することから。
各自、動物園を一周して、テーマを考えます。
・・・とは言っても、
寒くて、
寒くて、
傘をさしながらの撮影もたいへんです。

カメラを持つ手が寒さで痛いと訴える学生が
気の毒に思えました。

実は、“ワタシは雨女”なんですね。



私も園内をウロウロしながら、観察&撮影しました。



雨で観客が少なくとも、
動物にとっては仕事日です。

写真のゾウさん、
雨を避けるために屋内に入りたそうでしたが
出入口は開くことなく、
寒雨の中、耐えていました。
ゾウは暑い気候の動物ですから、
さぞかし辛いのでしょう。



こちらはチンパンジー。
寒くて縮こまっているようです。



写真を撮っていると視線が合いました。



水中で暮らす動物にとっては雨は関係ないですね。
普段通りに気持ち良い表情をしながら
ゆったりと泳ぐアシカ。

***

正午過ぎには、ますます気温が低くなり、
吐く息も白い状態。

その寒さはあまりに辛く、
熱帯動物の飼育館へ非難する事に。
夜行性動物や爬虫類が居る室内は、
30度弱の室温。
冷えた体を温めること1時間。
この種の動物を、
じっくり観察した事がなかったので
いろいろと発見があって楽しかったです。

なかでも最も印象に残ったのが
コモンマーモセット



悟りを開いた長老のような表情で
私が逆に観察されているような感覚に陥りました。



Yoshie