みなさん、こんばんは。
昨日、富岡の松ちゃんに会ってきました。
今日はとても落ち込んだ気持ちでいます。
松ちゃん牧場のアイドルだったポニーのヤマが今月の12月18日に永眠いたしました。
享年18歳。
先月の写真です。
ヤマは原発事故後、松ちゃんの所にやってきて牛たちの面倒を見てくれた賢いポニーでした。
町が強制避難区域に指定され人間が少なかったとき、松ちゃんが牛を柵から出してヤマに牛たちの散歩を頼むと牛を引き連れ町の中を散歩し、1頭残らず連れて帰ってくれる本当に賢すぎるポニーだったのです。
当時は、松ちゃんが褒めてましたから本当に凄い子だったと思います。
今年の1月に松ちゃんが「ヤマはいつ逝ってもおかしくないんだ」って言ってましたが僕は信じられませんでした。
でも、たくさんの動物たちの生死を見てきた彼の言うことは本当でした。
僕はその時、彼に何故なのかと聞いた。
そしたら最近、食が細くなったこと、ヤマを呼ぶと今までは走ってやってきていたのに走らず歩いて来るようになったこと、牛に餌を取られたら足で蹴ったり尻に嚙みついてでも牛を追っ払っていたのに、今は殆ど怒らず牛に餌を取られるようになったことなどなど、病気もせず怪我もしなかったヤマの老いを強く感じ取っていた松ちゃんでした。
それを聞いたので僕は行くたびにヤマを観察したけど、本当に走らなくなったし一番早く餌場にやってくるヤマが歩いて来るので牛たちより遅く餌場に到着するようになった。
この時でも、まさか本当になるとは思ってもなかったです。
一時期、本当に痩せたので栄養価が高く、高カロリーの餌に切り替え飼養してくれて、おなかに肉が付きふっくらとしてきて一安心していました。だから本当に信じられませんでした。
2015年頃の写真 若かりしのヤマ
僕はその日のことを松ちゃんに聞いた。
「16日の朝、牧場の草むらにいたヤマを呼んだけど一向に起き上がってこないから近寄ってヤマに起きろ!って言ったんだ。だけど首を立てて返事はするけど起きてこなかった。餌は食べるんだけど、もう自分の力で起き上がれないって。牛でも何でも4つ足動物は起き上がれなくなったら近いよな。ヤマの場合は老衰だからどうしようもなかった。18日に息を引き取った。でも18年も生きてくれたんだ」と、ここで彼の言葉が途切れた。
少しの時間、二人、無言になった。
2015年 雨の日の写真。
イケメンでした。そして可愛かった。
今、脱力感を感じています。ダチョウのモモの時もそうでしたが、本当にきつい。
富岡から帰る車の中で自分の記憶にあるヤマの姿や仕草が走馬灯のように過ぎた。
帰宅して凹んだままの僕は、かみさんにヤマのことを話した。
時々、一緒に富岡の牧場に付き合ってくれてニンジンやサツマイモなどをヤマに食べさせてくれたかみさんが涙ぐむ。
2時間位過ぎただろうか?かみさんが「18年ってヤマの寿命だったんだよ、あの環境で精いっぱい生きたと思う。松ちゃんの所だったから生きられたと思うしヤマは幸せだったと思う」の言葉に泣きそうになった。
年取って涙腺緩くなったなんて言い訳しない。
ただ悲しい。それだけです。
みんなから愛されたヤマ。
人間の言葉を理解していたヤマ。
松ちゃんの手助けをしてくれたヤマ。
今はゆっくり休んでこれからも松ちゃんを見守ってください。
本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました。
合掌