15日、私たち市の文化財保護審議会のメンバーは八郎潟ハイツでの県主催の研究協議会に参加したのですが、その前夜当市の39の有形民族文化財指定のうちの一つが14日の夜消失しました。
私は15日市役所に集合した10名の方にお願いして、火災のあったお堂を確かめてから八郎潟ハイツに行きたいと提案、15分ほど火災現場を確かめることができました。
消失した市指定の文化財はこちら、市内常照寺の「虚空蔵菩薩」像です。
この仏像は現在の月山神社が江戸時代は真言宗のお寺で、そのお寺のご本尊であった仏様だったのです。私にとっては明治初年の廃仏毀釈によってお寺さんが神社さんに変えられた(明治新政府の国策)、常照寺に移されたことを示す貴重な仏様なのです。
この仏様が、こともあろうに月山神社の例大祭の日に火災に遭い消失したのです。常照寺さんはお寺さんとは別個に小さいお堂を建ててその中に虚空蔵菩薩様を祭っていて、月山神社の例大祭の日なのでお堂を開帳し、ろうそくや線香、マッチ等を置いていたのです。
焼け残った虚空蔵菩薩さんの台座です。右には厨子の金具等が置いてあります。いくら探しても仏像の焼け残りは見つかりません。もしかしたら焼けずに残っているのではとも思ってしまいました。
火事の原因はいくつか考えられているようですが、真因は是非知りたいものです。
虚空蔵菩薩様の周りに焼け残った仏様が並んでいました。とても貴重な仏様を失ったように思います。
虚空蔵菩薩様は、智慧や暗記力ばかりか、あらゆる財宝を得られる功徳、所願成就の功徳があるとされる仏様です。
私の知恵や暗記力などが失われはしないかと心配になりました