先のポートランド市の庭園にもう一つの「あられこぼし」を見つけました。先の「あられこぼし」は色にも変化があって楽しみも多かった(色と形)のですが、こちらは色の変化はありません。大判の敷石や小さい敷石の組み合わせを純粋に楽しむ敷き方になっています。
「あられこぼし」をつくるためには、まず単色の敷石を使うか、色に変化のある敷石を使うかを考えなければならないと思います。主庭までの園路は単色の敷石を、主庭には色に変化のある敷石を使うなどの使い分けも考えられると思います。
大きな敷石と小さな敷石をどう組み合わせるか、センスが問われます。
さらに色を加えると・・・、創る楽しさが倍増します。
丹波の鉄平石です
「あられこぼし」ではありませんが、「丹波の鉄平石」にさらに大きな「御影石」の切石混ぜてあります。異種の敷石を混ぜたときには違和感を感じないような配慮が必要だと思います。
まずは「あられこぼし」づくりの基本を・・・
白黒の写真ですが「丹波鉄平石」です
石敷きの一種でその姿がいかにも霞が散ったように見えるところからこの名があります。主に大粒の玉石を、園路にこだわらず目地も粗く敷き散らしたもので、もっと大きい石を使ったばあいは〝あられ崩し〟と呼びます。本来は玉石を使ったものを指すようですが、張り石を使ったもの、すなわち不規則な曲線形の延べ段をも含めて〝あられこぼし″と呼んでいます。
その姿や配石の調子をうまくやるには高度の感覚と技術が求められます。一見するとその形は、乱雑なようであり簡単なように見えるが、実はもっとも難しいもののひとつです。要は石を並べていくだけなのですが、空間をつくり出していくことが難しいのです。最初から空間をつくりながら、というのは難しいので、互いの石の関連性を考えながら据えていって、あとから石を抜いて空間をつくり出すと意外と形よくできるものです。
石を扱う感覚はすべてに共通するものです。石組み、石積み、石張りと共通する感性があり、ひとつに巧みであれば他も同じようにうまいはずです。これは石を配するリズムが共通しているからです。あられこぼしは、その雰囲気が山路にあるような感じなので俺びた風情があります。飛び石とのつなぎや裏庭など、あまり格式ばらないところにつくるのが適当でしょう。つくるのは難しいのですが、十分に楽しみながらできる仕事のひとつです。
こうしたお仕事のできる業者の方をうらやましく思います。業者の方にはより良い素材を選んで買い入れるという楽しみもあります。
庭師としては一度は取り組んでみたい課題です