生石地区のまちづくりの取組のテーマは「安心・安全」と先に掲げたが、実は切実な問題がある。
このテーマの取り組みとしては、平常時の治安を守るための防犯と、災害時に備えた防災の二つに分かれる。
幸いにも生石地区の見守り活動の中心に位置づけられる「青パト」は松山で一番保有台数が多い。(現在20台)
このことを見ても地域の人たちに防犯意識が高いことがわかる。
この意識をまちづくりに上手に組み込めないかと考えた。
そして、3・11の東日本大震災の時の仙台空港の津波がこの生石地区に押し寄せてきた時にどうなるかをシロウトながら予測してみた。
一気に生石地区は水没する可能性が見えてきた。
そうなると子どもたちはどうなるのか。
未就学児の施設と小中学校(私立も含めて)の子どもたちが約2500人いることがわかった。
小中学生は、当面、授業中なら屋上へ避難すればなんとか何が逃れられるのでないかと思っている。
一方、未就学児が800名もいることがわかった。
この子たちは、自分の意思で逃げられない。
どうやったら助けられるのか。
普段から近くの地域の人たちとの避難訓練が必要だと思った。
こういう場合、施設の中だけでの訓練は多いが、その垣根を取り去った避難訓練が必要である。
ここまでなら自主防災組織でもなんとかなるような気がした。
しかし、空港近くに250名の子どもがいることがわかった。
車が必要かもしれない。
「青パト」をその子どもたちを助けるための「救助パト」にしてはどうかと思った。
そうなると組織の枠がかえって邪魔になる。
また、近くに大きなタクシー会社がある。
民間事業者を巻き込めれば現実的である。
そのためには、自主防災組織という枠だけでは難しい。
だから、地域が一つになった交渉窓口となる組織が必要なのである。
まだまだ一つになる必要がある。(つづく)