ばか親日記 傘がない

さっき、登校中のみんみからメール。

授業で使う体操着忘れた！というので、

今洗ってる洗濯ものを干したら、

とうちゃんが学校まで届けることに

なりました。

小学生の頃なら、うちの子は忘れんぼ

でしょうがないなあ、それじゃあお父

さんが食後の運動がてらちょっと

届けに行って来ようかな。

ってな話にもなりますが、みんみは

もう高校三年生ですよ。

青春ドラマなら、恋愛とか、進路とか、

人生における様々な問題にぶつかって、

喧嘩したり、家出したり、自殺したり

するお年頃じゃないですか。

なのにうちの子は、

「体操着忘れたー」ですよ。

やんなっちゃう。

でね、小学校ってのは、たいがい家の

近所にあるでしょ、みんみの高校遠いん

ですよ。

とうちゃんが住んでる団地は、家賃は

安いんだけど駅までが遠いので、バス

と電車乗り継いで、迷わず行けても

小一時間かかる。

しかも雨降りそうな空模様。

ところが傘がないんですよ。

正確に言うと、ケロちゃんのしか

ないんですよ。

みんみの忘れんぼは、かなり念が入ってて、

一度持って出た傘は、二度とかえって来ない。

そいで最後の一本が、子供用のカエルの

模様の傘で、とうちゃんが使うにはハードルが

高すぎます。

自慢のポルシェで行けば、傘はいらないけど、

そういうの持ってないしなあ。

とうちゃんの車は三菱の中古の軽自動車で、

しかも黄色なんですよ。

とうちゃんだって好き好んでそんな車

乗ってるんじゃないんですよ。

まあ洗濯がそろそろ終わりそうなんで、

わけを説明してる暇はないんですけどね。

で、バス、電車で行こうとすると、ケロちゃんの傘。

みんみが同級生たちから、

「おい、おまえんちのオヤジが体操着持って、

　ヘンな車に乗っ来たぞ」って言われるのと、

「ヘンな傘さして来たぞ」って言われるのは、

どっちが、より気の毒なのか……、

父親として頭を悩ませています。

そんな理由で喧嘩になったり、

家出したり、自殺されたりしたら困りますからね。

ばか丸出し親子ですよ。