妖精
悪いな寝てないんだ
あなたは眼鏡越しに冷たく見つめ
あたしを邪険にする
学会が近いのは知ってるけど
研究室の隅に転がったカップラーメンが
あたしの胸を締めつける
あなたの頭の中は難しい数式と
発見への情熱でいっぱい
あたしが入る場所なんてないのかな
小さな妖精になって
白衣のボタンにつかまっていたいのに
もう春だよ
お弁当作るからピクニックに行こうよ
お花畑でお昼寝したら気 . . . 本文を読む
春の嵐
ベランダのパンジーのポットが倒れてる
グレーの雲がすごい速さで流れていく
冷たい北風なら肩を丸めて縮こまるけど
今朝は心を開いて風を入れてみたい
春は別におだやかな季節じゃない
澄みきった結晶のような冬と違って
ざわざわ気持ちを揺さぶってくる
あたしをあたしじゃないようにする
まだどうなるかわからない感情/空の色
もう後戻りできない変化/風の匂い
いいのかなって不安/手放 . . . 本文を読む