このDECCAのEssentialシリーズは、二枚組みでその作曲家の主要な作品が収録されていて、しかも安いということで、とりあえず押さえておこうかなといった、ファリャのような作曲家については(ファリャのファンの方にはごめんなさい)、とても重宝です。
隅から隅までスペイン!って感じで、リズムが弾んで威勢がよくて、エキゾティックで、妖しい魅力があります。
ドビュッシー、ラヴェル、ビゼー、シャブリエと多くのフランスの作曲家がスペインに憧れ、名作を残しました。しかしながら、作品それ自体のレヴェル、価値はともかくとして、旅行者と生まれ育った人間との違いというか、スペインの片田舎の街並み、建物がくっつきそうになっている、うねうねした路地のそのまた脇まで知ってる地元の強みがあるように思います。
それだけに泥を混ぜ込んだように赤黒いワインに倦むと、「ハープシコード協奏曲」のような、単なるスペイン情緒だけではない響きの新しさを持った作品で口直しをしたくなるのです。
【ロゴの使用について】
Adversite のロゴを使ったリンクについては、こちらからお願いしたい程の嬉しい出来事であり大歓迎です。(夢のもつれ)-san のプラットフォームのやり方で、ロゴ画像をダウンロードして使って下さい。もし、サイズが合わない様であれば小さくすることも出来ますので、遠慮なく連絡をして下さい。
【CDとレコードの音質の違いについて】
ご存知のように、CDはフリップスとソニーが共同開発したデジタル・メディアですが、その当時のコンシューマ用の規定には、録音帯域の上、下、のある帯域(雑音成分)は不用と結論付けて、これを削除するとした項目を追加したのです。
それにより、発売時のCD(ADD)は、レコードに比べ総じて音が硬いとオーディオ・ファンに知れ渡ってしまいました。今となっては残念な結果ですが、雑音成分を削除したことが裏目に出て、音の柔らかさを失ってしまったのです。その後、デジタル録音(DDD)に着手して挽回を図ったりして、現在に至っています。
しかし、我々消費者にとっては、非常に難しい問題が残されています。それは、デジタル録音であれば全て「ベストな音質」かと言えば「NO」であり、また、CDのすべてが「音が硬い」かと言えば、これまた「NO」なのです。
ですから、CDショップから家に戻って音を出すまで、ドキドキの思いが常に付きまとうのです。
ところで、自前のオーディオ装置がどれだけの再生能力(Hi-Fiと言うのではありません)を持っているか、それを簡単に聴き分ける方法があります。用意するものは、オリジナル楽器(古楽器)と現代楽器で録音された室内楽の曲です。この2つのソースで音質の違いがハッキリ出るかどうかを聴き比べるのです。オリジナル楽器の音の深みと倍音が滲み出て聴こえてくれば、満足のいけるオーディオ装置と言えるのではないでしょうか? 逆に、その差が聴き分けられないなら何らかの手を打たなければならないかも知れません。
長くなりましたので、今回はこの辺で!
それでは、次回まで!