中世のイタリアにフィボナッチ(1170-1250)という数学者がいました。彼はさまざまな業績を残しているんですが、その中で最大のものがウサギの出生率を例にしたもので、次のような問題の形で示しています。
「1つがいのウサギは、産まれて2か月目から毎月1つがいのウサギを産む。1つがいの兎は1年の間に何つがいのウサギになるか? ただし、どのウサギも死なないものとする」ネズミ算的に増えて2の12乗とか、11乗になるなーんて思っちゃいけません。ウサギ算ですからねw。
上の図を見ているとわかると思いますが、ある月のウサギのつがいの数(最初は1)と次の月のつがいの数(これも最初は1)を足せばその次のつがいの数になることがわかるでしょうし、なぜそうなるかも直感的にわかるんじゃないかと思います。結果だけを書いていくとこうなります。
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,……
つまり、1年後には144のつがいになるというのが問題の答ですね。別にウサギの繁殖でなくても、例えば次の図のような木の枝分れも同じ数列になります。横に枝の数を数えると同じことになっているのがわかるでしょう。
等差数列とか等比数列って高校で習ったと思いますが、これは全く別のもので、フィボナッチ数列と言います。数式で書くと、
a_1=1,a_2=1, a_n+2=a_n+1+a_n (n>0)……①
となるのは当たり前ですね(a_1は1番目の項、a_n+2はn+2番目の項というふうに見てください)。で、ウサギや木の例からもわかるようにこの数列は自然そのものととても深い関係があって、おもしろい特性があります。フィボナッチ数列を長さとして正方形を作ると次の図のようにきれいに並べていくことができます。
すなわち、
1*2+1*2=1×2 (1*2は1の2乗の意味です)
1*2+1*2+2*2=2×3
1*2+1*2+2*2+3*2=3×5
1*2+1*2+2*2+3*2+5*2=5×8
1*2+1*2+2*2+3*2+5*2+8*2=8×13
……
というふうに順にフィボナッチ数列で正方形を作っていくと、その和は最後の正方形の一辺と次のこの数列の数をかけた長方形の面積に等しくなるわけです。
さて、この数列の特別な性格は以下のように順に隣同士の比率を取っていって、ずっと先まで続けていくと次第に見えてきます。
a_2/a_1=1/1=1
a_3/a_2=2/1=2
a_4/a_3=3/2=1.5
a_5/a_4=5/3=1.66667
a_6/a_5=8/5=1.6
a_7/a_6=13/8=1.625
a_8/a_7=21/13=1.61538
a_9/a_8=34/21=1.61905
a_10/a_9=55/34=1.61765
すなわち、次第に前回登場した黄金比(1+√5)/2≒1.6180339887に(上下しながら)近づいていくのです。例えば50番目の項について見ると(この辺が私の持っている電卓の限界なのでw)、
a_50/a_49=12,586,269,025/7,778,742,049=1.6180339887
と小数点以下十位まで見事に一致します(もちろん黄金比は無理数、フィボナッチ数列の比率は有理数ですから、いくらでも近づいていくけれど、一緒にはならない。つまり漸近するという性質です)。これは中世ヨーロッパ最大の発見の一つでしょう。
なぜそうなるのかの厳密な証明はできますが、ちょっとわかりにくいでしょうから、直感的にわかりやすい大ざっぱな説明をします。
十分に大きなフィボナッチ数列の隣同士の比a_n+1/a_nが一定(に近い)ということですから、次のような式が成り立ちます。この式は要は十分に大きなフィボナッチ数列は等比数列、例えば1,2,4,8,16,32……と同じようになっているということです。ある決まった数(この場合は2)を掛けると次の項が算出できるってことで、ネズミ算そのものですね。同じ干支仲間だからでしょうかw。
a_n+1=φa_n ……②
ただし、φは正の定数で、メモメモではないw。
この式を上のフィボナッチ数列を定義した①の式に代入すると、
a_n+2=φa_n+a_n
さらに②から、a_n+2=φa_n+1でもあるので、
φa_n+1=φa_n+a_n
よって、
φ*2 a_n=φa_n+a_n
a_nは明らかに0ではありませんから、両辺をa_nで割ると、
φ*2 =φ+1 ……③
つまり、2次方程式になって、これを解の公式(覚えてます?)で答を出すと、
φ=(1±√5)/2 となります。(1-√5)/2は負の数なので捨てます。よって、黄金比(1+√5)/2が出てくるわけです。
黄金比の代数的な意味ってこういうことなんですね。③の式の両辺をさらにφで割ると、
φ=1+1/φ
となって、(1+√5)/2は逆数に1を加えた数ということになりますね。逆数は2/(1+√5)ですが、この分母を有理化して整理すると-(1―√5)/2となってさっき捨てた負の方の解の符号を逆にしたものです。つまり逆数と負の方の解の絶対値は、同じ数0.6180339887…で、前回の黄金比の作図の絵の正方形からはみ出た分ってことなんです。
③の式からは次のような連分数と連根wの関係が出てきます。これを見ただけでも黄金比の不思議な性質がわかるでしょう。
確かに例えば3月にスタートするとして、一年後は2月ではなく、3月ですね。混乱を招き失礼しました。
[ φ=1+1/φ ] の変形の
φ-1=1/φ
は、直交座標から切り出される『自然比矩形』の横辺(e-1)と横座標(e)で縦辺(1)を、(1/e)と(1-1/e)に反比例曲線(y=1/x)が分割する。
e-1 ⇒ 1/e
分からないモノ(n)から1を引くという操作と全体(1)を分からないモノで割る操作が自然数を生み出しいると観たい・・・
e-1=n ⇒ e=n+1
【ラマヌジャン 何かの機会に使う式】が、1/(e-1)を自然数の連分数で眺望すると[黄金比]と[離散性]が【正方形】(🔲)に象徴され、
[自然比]と[連続性]が〇に棲む△▢に眺望したい・・・
〇に棲む△▢ヒフミヨに