夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

題詠:時計

2006-03-20 | poetry

    時計

あたしは朝起きるのが苦手で
知らない間にアラームを止めてしまう
業を煮やした目覚まし時計は
夢の中に入り込んでいたずらをする

昔の彼氏があたしのピアノを勝手に弾いている
もしゃもしゃした毛の生えた指で
鍵盤から水が噴き上がり
洪水になる予感がする

子どもの時に死んだおばあちゃんが
携帯電話のCMソングを歌っている
けばけばしい柄の着物で
従兄弟たちが勢ぞろいして回し飲みしている
うつむいて顔が見えない

やっと起きたあたしはカーテンを開ける
黄色っぽい空に
たくさんの金魚が泳いでいる
驚いてもう一度見ると鏡に変わって
時計がその向こうにあるのに気づく



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