月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

臨終勤行

2011年02月09日 20時24分16秒 | 仏々相念(住職日記)

「もう一回」・・・

 

85歳の弟を亡くした姉が枕元に座っています。

「姉さん、来たんか・・・もう一遍、言うてみ・・・お願いだからもう一遍・・・」

3年になりますでしょうか、お兄さんも亡くされ一人になってしまいました。

「私の方が先にお参りするものと思っていたのに・・・」

 

仲のいい姉弟でしたのでしょう、遠方から偶に来た姉に笑顔でお迎えになられていたのでしょうね・・・

 

涙いっぱい流されるお姉さんのお姿を後ろから見せていただきながら、

私たちには聞こえない声が聴こえるようでした・・・

「姉さん、よう参ってくれたね・・・ワシを縁に本当によう参ってくれた・・・」

アミダなるおはたらきにならせていただいて呼びつづけて下さる声。

 

背中に聞こえるお姉さんのお正信偈の声・お念仏の声・・・

「大丈夫、ここにおるよ」ってきかせていただきました、なんと心強いことか・・・