月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

焼香荘厳

2011年02月11日 19時58分11秒 | 仏々相念(住職日記)

優しいよなぁ~・・・

 

お香を焚きお浄土の薫りを喜びます。

仏さまの香りっていいですね、私は大好きです。

 

今日もお焼香をされる方々の後ろ姿を見せていただいたことです。

お孫さんでしょうか、今風の若い男性でしたが、お焼香して暫しお爺さんのお写真をみつめておられました。

彼の中には、どのようなお爺さんの姿が胸に浮んでおられるのでしょうか・・・

 

ご遺族の最後の焼香に出られた方は故人の兄であった父を亡くした息子さんでした。

ご両親の温厚さ、そのものの人・・・

優しさが背中に溢れ出ているようなお方です。

おれも親父亡くした時はしんどかった、よう分かるよって声がしそうでした。

その方が出られたときは温か~い空気が流れるようでした。

こういう方がいてくれると嬉しいですよね・・・

 

きれいにお飾りなされた仏さまの前、

お花や果物、お菓子・・・

優しい薫りに包まれて今日も生かさせていただきました。

 

しかし、この度のご縁でもつくづく思ったのですが、

死の縁って辛いひと時ですが子どもさんやお孫さんが沢山お参りして下さいます。

一目、顔が見たい・・・そう思ってお帰りになられるのでしょうね。

日々、手を合わすことも忘れているような若い方々が真剣に座って下さいます。

若い方々がお座り下さる姿を見せていただいては、ご縁って有難いな~って思うのです。

この方々が、帰って来て良かった!仏さまに出遇えて良かった!って思える様なひと時になれるようにお手伝いできたらいいなぁ~・・・

と常に思うのですが、思うばかりで一向に儘ならず、力の無さを知らされるばかり・・・

今日も仏さまの足を引っ張ってばかり・・・

 

どうぞ、仏さまになられたお爺さんのおはたらきを胸に大切に生き抜いてほしいなぁ~・・・


母の櫛のはなし

2011年02月11日 01時59分40秒 | ふうわりふわり(坊守日記)

鏡台に長いことしまってあった、つげの櫛をみつけました。
亡くなった母が使っていたもので、生前にもらった櫛です。

わたしの髪はくせのないまっすぐな髪です。
中学校を卒業するまでは、おかっぱヘア…
高校生になって伸ばしはじめると、毎朝、母がわたしの髪をとかしてくれて、器用に編み込みをしたり三つ編みをしたり、リボンをくくってくれたりしました。
いつも「きれいな髪だね~」と言いながらとかしてくれました。

母も若い頃は長い髪だったようで、「ブラッシングは丁寧に百回したらいいわよ」とか、「つげの櫛で髪をとかしたらきれいなつややかな髪になるよ」と話してくれたものです。

その頃にもらった母の櫛…
今でもまっすぐで長い髪を久しぶりにとかしてみました。
すーっと髪を通ります。
何度も何度も…
母にとかしてもらってるような感じがしました。

その櫛で、娘の長い髪をとかしました。
きれいなつややかな髪。
愛しい子……
ずっと、こうしてこの子の髪を撫でいたいなあ……

ああ、母は毎日こんな気持ちでわたしの髪をとかしてくれてたんだ…と思うと、ちょっと涙が出そうになりました。

よかった…娘が向こうを向いていて……