三日前の夜のことです。
外が明るいことに気づいてベランダに出てみると、
夜空の高いところに、まんまるお月さまが輝いていました。
過不足なくまどかに満ちて、それはそれは清かに照っていました。
しばらくお月さまを見上げながら、そのお月さまの中に愛しく、懐かしい人たちの顔を重ねていました。
「会いたいなあ」「触れたいなあ」「声が聞きたいなあ」と、どんなに手を伸ばしても、お月さまには届かないけれど・・・
闇の中に佇むわたしを、そのひかりの真ん中につつんでくれているという安心感をたしかにいただきました。
それは、いつでも、どこでも、このまんまを照らし、つつんでくださる阿弥陀さまのおはたらき・・・
さて、昨日のことです。
関西にお住まいのご門徒さまとメールでお母さまのお年忌のご法事の打ち合わせをさせていただいた折に、
あのまどかに照るお月さまに、生前ずいぶんとお世話になったその方のお母さまの、本当にやさしい笑顔を重ねました・・・と送ると、
お返事に、「私も先日の満月に母の笑顔を思い出し、会いたいなあと思いました」と綴られていました。
それぞれに違う場所で、ひとつのお月さまを見上げながら・・・思いもひとつ・・・だったのです。
それに、重ねて言うならば、そのお月さまは娘さんもわたしも等しくそのひかりの中に照らしてくださっていたのです。
なんともこころがほっこりしたことです。
ありがたいなあ・・・
やさしいなあ・・・
ほとけさまって・・・