月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

食付怪談

2011年08月06日 21時47分43秒 | 仏々相念(住職日記)

食いつく食いつく・・・

 

こう暑くなりますとテレビの特番などで放映される「幽霊モノ」

気が付けば録画していて思い出したように見たりします。

暑くて眠れない時には涼しくなっていいもんです。

 

2,3日ほど前にも夜中の少しの空いた時間に再生して見たことです。

一番いいところだけ見て、つまらん話しは早送りしながら見ていたのですが、こんな内容が・・・

誰もいない2階で足音がするというのです。

その原因を突き止めるため霊媒師(?)みたいな方が部屋を見て回られます。

ある部屋に扉の閉まったままのお仏壇が・・・

これ見よがしに扉を開けます、「お扉をあけます、チリンチリン!」って鈴を鳴らしながら、「ドアホーンか!」って一人で突っ込みながら見ていると、中は浄土真宗のお飾りでした。

「あ~、ご門徒さんっだったんや~」・・・

阿弥陀さまの前に分骨がご安置されていました。

「これです!これが災いのもとです!納めるべきところに納めていないからこのようなことが起こるのでしょう!」

まっ、この人がそう思うのならそれでもいいのです、「はいはい」って聞き流していると最後にこう言うのです、

「仏さまは怒っておられます!!!」って・・・

これには腹が立ち一人でテレビに向かってブツブツ言っておったことです、

「仏さまが怒るんか!」って・・・

「いい加減なことを言うな!」って・・・

 

仏さまは怒ったりはしません・・・どのようなことがあっても怒ったりはしません。

荒れ果て、散らかった家であろうとも、お扉を閉めたままのお仏壇であっても・・・

「生きるということはそういうことだよな・・・目の前の壁にぶち当たる時、家がどうの仏壇がどうの、考えている暇ないもんな。ただ「生きる」ということに一生懸命になって何もかも忘れる、そんな日常・・・」

すべて知り抜いたうえで涙を流しながら抱きしめてくださるおはたらきが仏さまなのでしょう!

涙を流しつつ、口に優しい笑みを浮かべ抱きしめてくださる、「大切に生き抜いてくれよ・・・」って。

 

そこに出会えるか、出会えないかですよね・・・

生きるということに中にはなんら変わらない生き方、でも、そんな自分に気付くか、気付かないかだと思うのです。

 

そんな話をさせていただきますと、怪奇現象のようなところはみなさん食いつくのです。

身を乗り出してまで、「これは聞かんといけん」みたいな感じで・・・

どうしてもそういう存在に興味を持たれるようですね。

ご法事のご縁に会われるというのも、「災いごとが起こらんように・・・」って思っておられるかもしれません。

先日まで大切な方のご縁にあわれ泣いておられたのに、時が流れると災いの源になってしまうのでしょうか・・・

 

忘れてくださらん仏さまのなんと優しいことか・・・


幸福笑顔

2011年08月06日 21時26分47秒 | 仏々相念(住職日記)

幸せそうで・・・

 

お参りいただいたなかにアツアツのカップルがお参りされました。

喪主さまの息子さんなのですが、なかなかの爽やかな青年でして嫌いじゃない人です。

「おばちゃん、彼女です!」って嬉しそうに紹介されていました。

 

彼たちを見ながら20年ほど前の若々しい自らのことを思い出していたことです。

よくよくの縁あり出遇わせていただきました・・・

この本堂で、この阿弥陀さまの御前にて結婚させていただいた・・・

嬉しくて嬉しくて、涙が止まらなかったことです。

 

「死んでもまた会おう・・・そういう愛をふたりの間に挟んで生きてください!」

優しい恩師の言葉を胸に今もひたむきに歩ませていただいています。

 

偉そうにも恩師の言葉をいただきながら若いカップルとお味わいさせていただいたことです。

死んでもまた会おう・・・この愛こそがお念仏なのです。

そのお念仏を依りどころとさせていただきながら生き抜ぬかさせていただきましょう!

 

長い歩みの中にはこの笑みも曇らせてしまうこともあるのでしょう・・・

でも、辛くても悲しくても南無阿弥陀仏に依らせていただきながら、ボツボツと・・・