月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

盆法座のはなし

2011年08月14日 23時16分46秒 | ふうわりふわり(坊守日記)

今夜はお寺の≪盆法座≫でした。

毎年、おつとめの後、堂内を暗くして朗読をします。

外陣は柱掛燈籠の灯りだけ・・・

内陣のお荘厳が美しく浮かび上がります。

お参りのみなさんとご一緒におつとめさせていただいた『仏説阿弥陀経』に説かれてある阿弥陀さまのお浄土のお荘厳を見るようです。

そんな中で、今夜朗読させていただいたのは

芥川龍之介・作 『蜘蛛の糸』です。

蜘蛛の糸が切れて再び地獄へとまっさかさまに落ち行くカンダタの姿は

わたしの姿でありました。

煩悩から離れることのできない落ち行くわたしを

大悲の御手を広げて抱いてくださるはただおひとり・・・

阿弥陀さま・・・

 

 


盂蘭盆会

2011年08月14日 21時29分38秒 | 仏々相念(住職日記)

優しい空気が・・・

 

辛く悲しいご縁に触れた方々が本堂に座られました。

初めて迎えたお盆のご縁。

 

いつも思うのですが、自らがご縁となりお導き下さる、「私を縁にしてお参りしてね・・・」

切なくも優しく温かいおはたらき・・・

ようこそ、ようこそお参り下さいました。

これをご縁にまた本堂にお参り下されるようになればな~・・・

 

今日、ご縁をいただいたお宅には横浜からお帰りになられたお孫ちゃんがいました。

お座りが出来るかできないかくらいの可愛い男の子。

その子のお母さんも優しいお方で、その優しさそのまんまで育まれておられました。

お母さんの膝の上に抱きかかえられる御子はご機嫌です。

にこにこ、にこにことこんな私に微笑んで下さいます。

こんな私でも思わず顔がほころんでしまいます。

 

このお母さん、合掌される時に必ず御子の可愛い御手を合わさせてやり、その上に優しいお母さんの手を重ねられるのです。

ご縁に触れるということはこういうことでしょう・・・

重ね合わす手の上にあなたの優しい御手が重ねてくださるのですね・・・だから・・・ひと時、この手が合わせられる。

 

しんどさいっぱいで座る阿弥陀さまの御前、「よう、参ってくれたね・・・」ってず~っと優しく抱きしめてくださっていた人生であることに気付かせていただきたいことです。