月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

利益問答

2011年08月26日 21時13分18秒 | 仏々相念(住職日記)

何の得もない・・・

 

今日は、「徳正寺子どものつどい」でした。

私は、仏事があり失礼したことです。

 

優しく、楽しいひと時が流れたようで安心しました。

 

夕方、本堂のお荘厳を整えさせていただいていると外で賑やかな声が聞こえます。

朝、参ってくれていた子どもが寺子屋に・・・

朝でのご縁でクタクタの坊守でしたが、やっぱり一緒に遊んでいました。

「優しい人だな~」って・・・

 

一台洗車するのに外に出ると問答さんが参ってくれていました。

「お~、久しぶり!元気でしたか?」

「ね~、何するん?」

「洗車するんよ!」

「また~・・・なんでするん?」

・・・そんなこんなで、ず~と続きます。

 

「今日は楽しかった?」

「お経以外はもの凄く楽しかったよ!」

「お経、楽しくなかったの?なんで?」

「ん~・・・何の得もないもん!」

 

「得」か~・・・

この歳でも損得なんですね。

座って何になるん?座ってどうなるん?・・・苦痛でしかないのでしょうね!

テレビでも見ている方が断然いいのに・・・

私もそうでした、足が痛くてしんどくて・・・「何のために」って思っていましたもんね!

 

もうちょっと大人になって、よくよくのご縁のなかで「そう言えば・・・」って今日の仏さまの香りに出会うことができれば肩の力を抜くことが出来るのかもしれません。

直ぐに又力を入れなければならないのですが・・・

 

一緒にいてくださる仏さま・・・一緒に!

あの時、一緒に遊んでくれていたよな~

そう気付かせていただく時、生かさせていただこう・・・優しい仏さまの香りに勇気付けられて・・・

 

また、お参りよ・・・

今日もようお参りでした!


栄枯盛衰

2011年08月26日 20時41分19秒 | 仏々相念(住職日記)

いつかは・・・

 

ご夫婦との3人でのご縁となりました。

少なければ少ないで膝を突き合わせながらゆっくりと話せるのでこれはこれでいいのです。

でも最近、極内々っていうご縁が増えてきました。

「ご案内してもご迷惑をおかけするので・・・」

ご案内すればお参りなされる方はおられるのですが、いろいろとご心配かけるのが辛いのでしょうね。

こういう時代になってしまったのです。

 

昔は、ご縁があれば「皆、お参りしてくれよ!ご縁に会わせて貰えよ!」って仏さまの前に集って座られました。

何も分からない子どもであっても、お菓子を手に座ることを喜ばせていただいたのでしょう。

「お育て」をいただいていました。

今、そのお育てが少なくなりました。

寂しい気もします。

 

ゆっくりお話しする中に奥様のお里の話に・・・

「昔はね、結構繁華にしていた家業でした・・・でも、後には使っていた方々の方が豊かになってしまって、ついには衰えてしまいました。」

その時々で盛んなる仕事があり衰え、また違う職業が盛んになる、そんな波があるようです。

「私の父は厳しい方でした。朝夕のお勤めは皆揃ってお勤めするのです。長いお勤めは足が痛くてね~。でも、ここに座らないとご飯を食べることが許されなかったのよ。でも、その時聞いていた仏さまの言葉は今でもツラツラと出てきます。不思議ですね~。」

仕事は盛んになったり衰えたりします。

でも、「お育ていただくこころ」は衰えることはありません。

今も尚、調声してくださっていた父の背中は消えることはありません。

何事があっても消えることのない繋がりを教えてくださっていたのですね。

 

「大切に生かさせていただけ!」って・・・