つい先日のこと。
深夜に目が覚めた。まず私自身が、寝言を言った。どんな言葉を発したのかはよく憶えていないのだが、確かにはっきり喋って、それがあまりにもハキハキしたものだったことに自ら驚いて、起きてしまったらしい。
なんだ寝言か……、と思っていったん開けた目を再び閉じた途端、横に寝ていた妻が言った。
「短歌を止めるの?」
何を言っているのか分からず、はてどう答えていいものか困惑している間もなく、妻がひと際強い口調で続けた。
「短歌はもう作らなくなってしまうの?!」
矢継ぎばやに繰り出される妻の質問攻撃を遮るかのように、私は言った。
「寝言や寝言! ごめんごめん! 心配要らんから、もう寝て寝て!」
「寝言……? 寝言なの、そうなの? ふ~ん……」
そうして妻も私も、また眠った。
朝起きて、改めてその話をしたのだが、妻は全く記憶にないと言う。どうやら私の寝言を発端に、妻も寝言で応酬していたらしい。それにしても、私はいったい何を口走ったのだろうか? そして何故、短歌だったのか……?
私たち夫婦、実は最近、百人一首の競技かるたに励む高校生らが題材になっているアニメ『ちはやふる』にハマっていて、その前の夜も遅くまで、二人して録画していたアニメをビデオで見ていた。恐らく夢中になってそれを見ていたのだろう、その流れを引きずったまま眠ったので、夢の中にまで百人一首や短歌といったものを登場させてしまったのではないかと思われる。
立秋を迎えても、まだまだ猛暑で寝苦しい夜が続く。今宵は、さて、どんな夢を見られることやら。
深夜に目が覚めた。まず私自身が、寝言を言った。どんな言葉を発したのかはよく憶えていないのだが、確かにはっきり喋って、それがあまりにもハキハキしたものだったことに自ら驚いて、起きてしまったらしい。
なんだ寝言か……、と思っていったん開けた目を再び閉じた途端、横に寝ていた妻が言った。
「短歌を止めるの?」
何を言っているのか分からず、はてどう答えていいものか困惑している間もなく、妻がひと際強い口調で続けた。
「短歌はもう作らなくなってしまうの?!」
矢継ぎばやに繰り出される妻の質問攻撃を遮るかのように、私は言った。
「寝言や寝言! ごめんごめん! 心配要らんから、もう寝て寝て!」
「寝言……? 寝言なの、そうなの? ふ~ん……」
そうして妻も私も、また眠った。
朝起きて、改めてその話をしたのだが、妻は全く記憶にないと言う。どうやら私の寝言を発端に、妻も寝言で応酬していたらしい。それにしても、私はいったい何を口走ったのだろうか? そして何故、短歌だったのか……?
私たち夫婦、実は最近、百人一首の競技かるたに励む高校生らが題材になっているアニメ『ちはやふる』にハマっていて、その前の夜も遅くまで、二人して録画していたアニメをビデオで見ていた。恐らく夢中になってそれを見ていたのだろう、その流れを引きずったまま眠ったので、夢の中にまで百人一首や短歌といったものを登場させてしまったのではないかと思われる。
立秋を迎えても、まだまだ猛暑で寝苦しい夜が続く。今宵は、さて、どんな夢を見られることやら。