「山のけむり」という青春歌謡(?)が有ります。私の忘れえぬ歌の一つです。
二木氏によると、1952発表のNHKラジオ歌謡で、作詞:大倉芳郎、作曲:八洲秀章、唄:伊藤久男、だそうです(二木紘三のうた物語)。
今から約50年前(大学、学部時代)、敬愛する高校の級友A君と、上州西部から信州東部の山を歩いた事があります。
車山とかいう単調な峰を巡って、午後の日射しの中、下山の途中で、いかにも地元の人、という様子の若い女性が、幼い弟を伴って山を下るのと一緒になりました。
道々前後して楽しい気分で降りるうちに、私より世慣れたA君が、今夜の宿を相談したところ、自分の親戚が民宿を営んでいるとかで、紹介してくれました。 料理など、特別の印象は残っていないけれど、風呂に、たくさんのリンゴを丸ごと浮かべてもらったのは、新鮮な経験でした。
翌日は、小諸公園とかまで降りたところで、年配の男が、草笛吹奏を聞かせてくれました。この人はその後、テレビか何かのメディアで紹介されたようでした。
思えば、「山のけむり」の歌詞そのままの光景だったような気がします。
私は帰京後、文通を試み、N紡績の女工さん(15年ぶりに再会した姉が、やはり愛知県で女工だったこともあって、これ自体は、不自然ではなかった…。)だった彼女に逢いに、夜の蒲郡の海に出かけましたが、初心な私は手を握ることさえできず、現実生活に舞い戻りました。そこは、学業やバイトが忙しく、結局は結ばれない結末でした。
私の経験では、殆どの山の光景で、煙が上っていたように思います。開墾など、人の営みそのものなのに、冷徹な自然の一部として受け止めているのは不思議な思いです。
この写真も、クマタカの出を探って待つ間に、県境の西方向を写していて、偶然にも「山のけむり」が写りこんだ一枚です。
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