昨日の記事の続きです。
これまでのお話
立ち上げたばかりで、バレーボール未経験者が多い宮崎チームの基本戦術は、とにかくサーブレシーブからの攻撃で点数を取れるようにし、後はサーブで得点し、できるだけラリーをしないで試合を進めようというものでした。
理由は、バレーボール慣れしていないチームですから、どこにどう動けばいいのか、バレーボールのラリーでどういうことが起こるのか、それをどのように予測して準備し、見極めて動くのか等がほとんど分からない選手が多いからです。
結成から大会まで2か月しかありませんのでそれを修得する暇もありません。
そのようなことから、まずは、サーブレシーブのできる選手をレギュラーにするということが基本路線として浮かび上がってきたのです。
当時チームに集まったメンバー26人のうち、上位16人のプレー状況は下記のとおりです。
この表のDさん(60歳)は、少女バレーの監督をしていたという経歴を有する人物でした。
60歳で体は動かないと言いますが、実は、サーブカットに関しては、かなりのプレーを見せてくれました。
加えて、サーブが徐々に威力を増してきたのです。
この状況は、練習最後に行うミニゲームで、確実に検証できました。
Dさんへの説得
4月下旬にチームを立ち上げまして、平均週2回の練習をこなしていたわけですが、5月の連休明け、サーブレシーブの練習をさせていたDさんに声をかけたのです。
「Dさん、若手のサーブレシーブの状況どうですか・・・」
「う~ん・・・まだ、4回の練習では、どうにもなりません。アンダーパスはできますから、チャンスボールは何とかなります。でも、サーブレシーブとなると、なかなか難しい面があります。」
「でしょ。ボールの落下位置を察知したり、ポジション取りに工夫してアウトを見極めたり、変化球サーブに対応したりというのは、経験者でも至難の技ですもんね。」
「Kさん、M、磯野さんがかなりカバーしないといけませんね。」
「なるほどですね。まあ、ビーチバレーの思いをすれば的を絞って3人でレシーブも可能かとは思うのですけどね・・・。それでも、厳しいサーブには難しいと思うのです。」
「期間は短いですが、なんとか頑張って練習させ、少しでも対応できるようにさせますので、もちっとまってください。」
「分かりました。ところでですねDさん。私、思うに、Dさんがサーブレシーブに入ったらどうかと思うのですよね。」
「ああ、ハイ。ええええっ?私ですか?」
選手として出場する気は全くないDさんは、大いに驚きました。
60歳で動けないことを吹聴し、練習に参加しても、アンダーとオーバーパスしかせず、レシーブ練習はほとんどしないのです。
スパイクや、ブロックは最初からできません。
指導の補助をするつもりで練習に参加している人なのです。
私はさらに訴えました。
「Dさんね。Dさんはよくわかっておられると思うのですが、サーブレシーブは結構大変なプレーです。何より自信がないと、太刀打ちできません。で、あと1月半で最低後2人サーブカットがそこそこできる選手を作ってほしいのですが、それを育成しつつも、いざというときにはDさんがサーブカットすることを考えたほうがいいと思うのです。」
「ええっ?無理ですよ。私、体が動きません。口はかないますけど、全然プレーについて行けません。」
「ミニゲームではプレーしてますよ。」
「いや、あれはコートにいるだけ、一番ミスしてます。スパイクレシーブやフェイント、どうかするとチャンスボールさえうまく返球できないのですよ。」
Dさんは、自らが選手になることには強く反対しました。
本日ここまでです。明日に続きます。
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