たまたま休みだったので、軽い気持ちで申し込んだ某ブルベ200km。
獲得標高が3000m以上あるのはわかっていたけど、それについてはあんまり深く考えてなかった。
前日夜に開催地に移動し、車中泊。
睡眠時間3時間。
ブルべ当日。
出発前に主催者さんより、ブリーフィング。
「このコースを完走できたら、どのブルべ(200km)でも完走できます。それくらい今回のコースは厳しいです。」
「私が試走した時は、寄り道もしましたが13時間以上かかりました。」とのこと。
(200kmの制限時間は13時間半)
えらいもんに申し込んでしまった…。
でも走らずに帰るのは後悔しそうなので、走れるところまで走ってみよう。
天気は晴れ。
参加者は15人くらい。
6:30に出発。
最初は固まって走っていたけど、
気が付いたら、誰もいなくなった…。
前半に貯金を作った方がいいとのアドバイスがあったので、頑張るけど上りばっかり。
今まで脚が攣ったことがなかったけど、太ももが攣り始めた。
「かかし祭り」開催中。
最初のチェックポイントは、スタートからおよそ50㎞。
貯金はたったの15分…。
今までのブルべではチェックポイントに行けば誰かがいたけど、今日は誰もいない。
もうみんなとっくに先に行ってしまった。
孤独を感じていたら、反射ベストを着た方が一人コンビニに入って来られてホッとした。
ホッとしても、お互い貯金は15分…。
第一チェックポイント通過後、標高1067mの紫尾山(しびさん)の頂上まで上る。
紫尾山まで50km、頂上まで行けば走行距離103kmになる。
熊本の鞍岳の標高が1119mなので、あれくらいの上りだと覚悟はしていたけれど、紫尾山は予想以上に過酷だった。
最初9~10%の勾配の坂を8㎞くらい上る。
厳しい上り坂だけど、景色がいいのと川から涼しい風が吹いてくるのがせめてもの救い。
地図を見たら、ラストの2㎞は九十九折りの坂になっていた。
「九十九折り」は勾配を和らげるためにあのようなカーブの多い道になっている。
九十九折りまで頑張れば勾配が少しは緩くなるだろう、と九十九折りへ淡い期待を抱く。
だけど私の予想を裏切り、九十九折り区間に入ると余計に勾配が急になりガーミンに16、17%と表示される。
もう自転車に乗ってられないので、自転車を降りて押しながら進む。
ヘアピンカーブを曲がっても曲がっても急勾配は終わらない。
歩いても歩いても距離は縮まらない。
九十九折りに勝手に淡い期待を抱いて、勝手に裏切られた気持ちになる。
このまま進んでも、もう制限時間に完全に間に合わない。
立ち止まり、景色を眺める。
景色を眺めていると、登山者の夫婦が降りてこられた。
「上まで行こうと思いましたが、ここで下る事にします」と話すと、「それがよか」と。
ここで私のブルベは終了とする。
今日の反省点を思い返しながら来た道を引き返し、ブルベのコース通りに分岐部から山の反対側に下る。
麓に降りて、主催者の方にDNFの連絡を入れる。
脚の攣りも治まったので、後はブルベのコースに準じたり、ショートカットしたりしながら走る。
私が休憩していたら、同じブルベに出られている方と偶然会えた。
「おーい」と手を振ってくれて嬉しかった。
今日はガーミンの調子が悪く、現在地が定まらないので街中で迷走してしまった。
信号停止で隣に停まったバスからわいわい子どもの声が聞こえてきた。
何だろうと見上げたら、バスの窓を開けて中学一年生くらいの男子が口々に私に向かって何か言っている。
「頑張ってください」「最後まで諦めないで」と声援を送ってくれていた。
私は道に迷って焦っていたので、ぎこちない笑顔で頭を下げる。
追い越して行ったそのバスに信号停止で追いつき、また声援をもらう。
途中からZARDの「負けないでもう少し」の合唱が始まったので、ギョッとする。
でも何故かみんな一生懸命応援してくれて、最後はお互い見えなくなるまで手を振ってお別れした。
みんなありがとう。
わかる道に出たら、後は少しでも早く帰ろうと猛ダッシュで自転車を飛ばす。
ラスト40kmはいい走りが出来た。
そして日が沈んでからゴール。
当たり前だけど、誰もいない。
主催者の方に「今着きました」と連絡を入れ、お礼を言う。
「お疲れ様。気を付けて帰ってね」と声をかけてもらう。
電話の向こうに楽しそうな声がかすかに聞こえた。
「これが私の生き様たい」と思いながら自転車を急いで積み込み、翌日休みの予定が仕事になったので熊本に帰った。
色々反省点も多かったけど、楽しいことも多かったし、いい経験が出来た。
自分はつくづく凡人だなぁと思うけど、こうやって人は学んでいくのだとも思った。
走った距離:230㎞
獲得標高:2493m
獲得標高が3000m以上あるのはわかっていたけど、それについてはあんまり深く考えてなかった。
前日夜に開催地に移動し、車中泊。
睡眠時間3時間。
ブルべ当日。
出発前に主催者さんより、ブリーフィング。
「このコースを完走できたら、どのブルべ(200km)でも完走できます。それくらい今回のコースは厳しいです。」
「私が試走した時は、寄り道もしましたが13時間以上かかりました。」とのこと。
(200kmの制限時間は13時間半)
えらいもんに申し込んでしまった…。
でも走らずに帰るのは後悔しそうなので、走れるところまで走ってみよう。
天気は晴れ。
参加者は15人くらい。
6:30に出発。
最初は固まって走っていたけど、
気が付いたら、誰もいなくなった…。
前半に貯金を作った方がいいとのアドバイスがあったので、頑張るけど上りばっかり。
今まで脚が攣ったことがなかったけど、太ももが攣り始めた。
「かかし祭り」開催中。
最初のチェックポイントは、スタートからおよそ50㎞。
貯金はたったの15分…。
今までのブルべではチェックポイントに行けば誰かがいたけど、今日は誰もいない。
もうみんなとっくに先に行ってしまった。
孤独を感じていたら、反射ベストを着た方が一人コンビニに入って来られてホッとした。
ホッとしても、お互い貯金は15分…。
第一チェックポイント通過後、標高1067mの紫尾山(しびさん)の頂上まで上る。
紫尾山まで50km、頂上まで行けば走行距離103kmになる。
熊本の鞍岳の標高が1119mなので、あれくらいの上りだと覚悟はしていたけれど、紫尾山は予想以上に過酷だった。
最初9~10%の勾配の坂を8㎞くらい上る。
厳しい上り坂だけど、景色がいいのと川から涼しい風が吹いてくるのがせめてもの救い。
地図を見たら、ラストの2㎞は九十九折りの坂になっていた。
「九十九折り」は勾配を和らげるためにあのようなカーブの多い道になっている。
九十九折りまで頑張れば勾配が少しは緩くなるだろう、と九十九折りへ淡い期待を抱く。
だけど私の予想を裏切り、九十九折り区間に入ると余計に勾配が急になりガーミンに16、17%と表示される。
もう自転車に乗ってられないので、自転車を降りて押しながら進む。
ヘアピンカーブを曲がっても曲がっても急勾配は終わらない。
歩いても歩いても距離は縮まらない。
九十九折りに勝手に淡い期待を抱いて、勝手に裏切られた気持ちになる。
このまま進んでも、もう制限時間に完全に間に合わない。
立ち止まり、景色を眺める。
景色を眺めていると、登山者の夫婦が降りてこられた。
「上まで行こうと思いましたが、ここで下る事にします」と話すと、「それがよか」と。
ここで私のブルベは終了とする。
今日の反省点を思い返しながら来た道を引き返し、ブルベのコース通りに分岐部から山の反対側に下る。
麓に降りて、主催者の方にDNFの連絡を入れる。
脚の攣りも治まったので、後はブルベのコースに準じたり、ショートカットしたりしながら走る。
私が休憩していたら、同じブルベに出られている方と偶然会えた。
「おーい」と手を振ってくれて嬉しかった。
今日はガーミンの調子が悪く、現在地が定まらないので街中で迷走してしまった。
信号停止で隣に停まったバスからわいわい子どもの声が聞こえてきた。
何だろうと見上げたら、バスの窓を開けて中学一年生くらいの男子が口々に私に向かって何か言っている。
「頑張ってください」「最後まで諦めないで」と声援を送ってくれていた。
私は道に迷って焦っていたので、ぎこちない笑顔で頭を下げる。
追い越して行ったそのバスに信号停止で追いつき、また声援をもらう。
途中からZARDの「負けないでもう少し」の合唱が始まったので、ギョッとする。
でも何故かみんな一生懸命応援してくれて、最後はお互い見えなくなるまで手を振ってお別れした。
みんなありがとう。
わかる道に出たら、後は少しでも早く帰ろうと猛ダッシュで自転車を飛ばす。
ラスト40kmはいい走りが出来た。
そして日が沈んでからゴール。
当たり前だけど、誰もいない。
主催者の方に「今着きました」と連絡を入れ、お礼を言う。
「お疲れ様。気を付けて帰ってね」と声をかけてもらう。
電話の向こうに楽しそうな声がかすかに聞こえた。
「これが私の生き様たい」と思いながら自転車を急いで積み込み、翌日休みの予定が仕事になったので熊本に帰った。
色々反省点も多かったけど、楽しいことも多かったし、いい経験が出来た。
自分はつくづく凡人だなぁと思うけど、こうやって人は学んでいくのだとも思った。
走った距離:230㎞
獲得標高:2493m