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日本人と中国人の夫婦の協議離婚に関する基礎的情報

2022年03月23日 15時37分42秒 | 離婚
  • 日本人と中国人の夫婦の離婚に関する情報です。

離婚は結婚が前提にあります。結婚していない男女が離婚するというのはあり得ないことです。

 

つまり、離婚を検討する日本人と中国人の夫婦は、日本と中国のすくなくとも1つの国に婚姻届をだして結婚していることなります。離婚は、この届出を出した国で行います。

 

ここで注意するのは、ひとつの国で離婚が成立したとしても、当然に一方の国で離婚が成立することにはならない点です。例えば、日本と中国の両方の国で結婚が成立している夫婦は、日本で離婚したとしても中国では夫婦のままです。中国でも離婚したい場合は、日本での離婚手続きとは別に中国で離婚手続を行わなければなりません。

 

日本と中国はそれぞれ独立した国ですから、一方の国で成立した離婚が他方の国の夫婦関係も当然に離婚が成立することにはならいのです。

 

 

1.日本国側の離婚

 

日本国籍同士の離婚と同様の手続きでの離婚が可能です。

つまり、

 

・協議離婚

・調停離婚

・審判離婚

・裁判離婚

 

のいづれかの手続での離婚となります。

この離婚制度のなかで、中国の方にとって不慣れな制度が協議離婚ではないでしょうか。

 

協議離婚は、裁判離婚とことなり裁判所の介入なく当事者(夫と妻)の意思だけで成立する離婚で、世界的にも珍しい制度です。当事者が離婚する意思を持ち、離婚届を日本国籍の配偶者の本籍地の役所に届け出れば離婚が成立します。この協議離婚で成立した離婚は、裁判所で離婚判決が下される裁判離婚と法的効果は同じですが、夫婦だけで成立するため、たくさんのことも当事者が話し合いによって決める必要があります。

 

 

2.協議離婚するにあたって多くの場合、次にあげる事項を取りきめます。

 

・財産分与

夫婦であった間に夫婦が形成した財産を離婚した二人が分けるための制度です。例えば夫婦であったときに購入した家や自動車などです。ペットもこの対象となります。

 

・夫婦の一方において浮気(不貞行為)や暴力などがあった場合にはその不法行為によって生じた慰謝料

配偶者が不貞行為(いわゆる浮気)をした場合、浮気された側が浮気した側に請求できる損害賠償です。慰謝料の発生となる不法行為の典型例としては不貞行為(浮気)の他にDVや子供への虐待行為などがあります。この浮気は客観的な証拠がなければ裁判を経て判決を得ることは難しいですが、浮気した側が不貞行為を認めれば、証拠による裁判を経ずとも請求が可能です。日本では浮気の証拠を探偵などに依頼して秘密裡に採取することも多くあります。

 

また、暴力によって生じた慰謝料も請求できます。

 

・夫婦の間に未成年の子がいる場合にはその子の親権の指定

経済的に養育が可能であって虐待等の特段の事情がなければ一般的に母親が親権者に指定されます。未成年の子がいる場合、役所に届け出る離婚届に子の親権者を記入する欄があり、この欄に夫婦の一方を記入しなければ役所は離婚届けを受け付けてくれません。また、この親権者は離婚する夫婦のどちらか一方の氏名を記入する必要があります。他人であったり、祖父や祖母など親以外の親族の氏名を記入しても効力はしょうじません。

 

協議離婚後に親権者の指定を変更することも可能ですが、この変更は、家庭裁判所による審判で裁判官が変更が相当であると判断した場合に許可される場合に限ります。元夫と元妻の協議によって当然に変更できるわけではありません。

 

・養育費

養育費とは、未成年の子を観護する親が、離婚後に親権者ではない親に請求する養育のための費用です。養育費は離婚後、未成年の子が親の観護から自立するまでの間に月単位で支払われることが一般的です。その金額は大学進学など子の健全な養育に必要な観点から決められます。

 

・面会交流権

親権者ではない親が、親権者の元で養育されている子と面会交流するための権利です。権利といっても、これは子の権利です。親権を得なかった親の権利ではありません。

 

 

 

 

 

 

 

2.中華人民共和国側の離婚

 

中国国籍の方が中華人民共和国にて離婚訴訟を提起します。

離婚訴訟を提起するのが中国国籍の方ですから、当然中国国籍の方が原告となり、日本国籍の方が被告となります(中華人民共和国では日本とことなり当事者間の合意だけで成立する協議離婚制度はありません)。

 

この離婚裁判を提起するには、当事者本人である夫婦が、中国籍の方の住所を管轄する人民法院に2回出頭する必要があります。一回目の出頭の後2週間ほどの期間をおいて、再度出頭した際に離婚の意思があるかどうかを裁判所の担当者に聞かれます。この質問に離婚の意思があると回答して初めて離婚裁判を提起できるわけです。

 

 


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