Aonsiwate Blog

フライロッド・漆器製作と岩手のくらし覚書

生漆・木固め・ブナ材

2014-12-27 21:01:21 | 漆と漆器

  

 

  生漆は、漆の木からかき取った漆を濾して

  塵を取り除いた状態のもの。

  水分量は約20パーセントで、

  この水分量を調整して「素黒目漆」という

  刷毛で塗るための漆が作られます。

  

    

  生漆は空気に触れていない状態では乳白色ですが、

  空気に触れているとココア色に変わります。

  かき混ぜてやると(下画像)、もとの乳白色に戻ります。

  

  

  

  この生漆の状態でも用途が沢山あります。

  今回行ったのは木固め。

  

  

  今回は木地の発色を黒い方向に持っていきたかったので、

  生漆に「松煙」を混ぜて黒くし、

  木地に浸透するようにテレピンで希釈。

  刷毛でガンガン塗って、木地に吸い込むだけ

  吸い込ませ、拭きとります。

  こうして木地自体に耐水性を持たせます。

  この作業が木固めです。

  

  

  

  

  漆が硬化後、表面処理をして、もう一度木固めし、

  その後摺漆の作業で表面を鍛えます。

  

  今回のスプーンの素材は「ブナ」で、

  加工しやすく、木目も美しいのですが、

  木地の乾燥が不十分だったり、

  漆の硬化が甘かったりすると、

  狂いやすい・動きやすいという欠点があるような気がします。

  

  今回の木地はカチッと乾燥した木地です。

  今日行った木固めも、二週間は硬化時間にあてる予定です。