Aonsiwate Blog

フライロッド・漆器製作と岩手のくらし覚書

大船渡

2015-03-10 21:24:16 | 日記・日常

  

  私は、1990年代のなかば、25歳の時に、神奈川から岩手に越してきました。

 

  まったくあてのない転居で、怖いもの知らずだったのだと思います。

 

  自治体の仕事をしていましたが、体調を崩し、神奈川に戻る気にもならず、

 

  大船渡でフラフラしていたところを、地元書店の社長に助けてもらいました。

  

  5年間、大船渡で暮らしました。

  

  港に近い、野野田の二階建ての借家が住まいでした。

  

  二階の窓からいつもウミネコが見え、横を流れる須崎川のヤマメも見えました。

  

  体調を整え、結婚し、シーズン中は盛川・気仙川を釣り、

  フライロッドを作り、1999年には起業しました。

  

  私の「今」は大船渡の野野田から始まった、と思います。

  

  今でも、野野田の潮を含んだ空気を思い出せます。

  

  その後、地の利を求めて西根町(現八幡平市)に転居しました。

  

  

  津波で、野野田はなくなりました。直後の写真では、なくなった、というより、

  

  瓦礫の山に、変わりました。

  

  無事だった人、無事ではなかった人。

  

  私は、ずっと、苦しいです。ずっと。