上塗りのための漆を調整。
上塗りは漆器製作の最終仕上げで、失敗したくない工程。
漆の硬化の速さの調整やゴミ(塵)の除去など、
上塗りの前に下準備しておく必要があります。
私は・・・この調整がちょっと苦手です・・・・
下画像は今回使用する浄法寺漆で去年精製されたものです。
通常漆は入手してすぐに使うことはできないと思います。
その漆の硬化の特徴を把握して、自分なりの「速さ」に調整する必要があり、
中に入り込んでいる塵も取り除く必要があります。
まずはチューブから漆を出してしまい、
チューブを開き、粘って壁面にこびりついた漆(漆を硬化させる酵素が濃密になっている)をはがし取り、
出した漆とよく混ぜます。
漆を濾します。
一回目の濾しは「荒濾し」で、和紙8枚を重ねて濾します。
小さな塵を濾し取ります。
複数人数で行うと早いのですが、一人では時間のかかる作業。
明日以降速さの調整をしながらもう一度荒漉しします。
滑らかで、香りのよい漆です。
この後、硬化のテストを行い、漆の硬化の速さの調整をします。