Aonsiwate Blog

フライロッド・漆器製作と岩手のくらし覚書

上塗用漆の調整

2015-10-24 23:08:09 | 漆と漆器

上塗りのための漆を調整。

上塗りは漆器製作の最終仕上げで、失敗したくない工程。

 

漆の硬化の速さの調整やゴミ(塵)の除去など、

上塗りの前に下準備しておく必要があります。

 

私は・・・この調整がちょっと苦手です・・・・

 

下画像は今回使用する浄法寺漆で去年精製されたものです。

通常漆は入手してすぐに使うことはできないと思います。

その漆の硬化の特徴を把握して、自分なりの「速さ」に調整する必要があり、

中に入り込んでいる塵も取り除く必要があります。

 

まずはチューブから漆を出してしまい、

 

 

チューブを開き、粘って壁面にこびりついた漆(漆を硬化させる酵素が濃密になっている)をはがし取り、

出した漆とよく混ぜます。

 

 

漆を濾します。

一回目の濾しは「荒濾し」で、和紙8枚を重ねて濾します。

小さな塵を濾し取ります。

 

 

複数人数で行うと早いのですが、一人では時間のかかる作業。

 

 

明日以降速さの調整をしながらもう一度荒漉しします。

 

 

滑らかで、香りのよい漆です。

 

この後、硬化のテストを行い、漆の硬化の速さの調整をします。