Aonsiwate Blog

フライロッド・漆器製作と岩手のくらし覚書

音鳴り

2018-06-14 23:01:29 | フライフィッシング

フライロッドの故障(?)に「音鳴り」があります。

ロッドを振るとキシキシと発生源不明瞭な音がする、というもの。

機能には問題ないとされ、メーカー修理の対象にならないこともあります。

発生の原因は様々で、なかなか難しい部分です。

 

私が今まで見たロッドの音鳴りの原因は大きく分けて3パターン。

 

1.ストリッピングガイドのエポキシ剥離

 

フライロッドは前後に振っている時間回数が多く、また根元まで曲がる調子を持つものも多いです。

ストリッピングガイド(一番手元側のガイド)は強度維持のため他のガイドよりも、

強度がある(柔軟性の低い)ダブルフットガイドを使うことが多いです。

竿の柔軟性に追いつかず、しみこませたエポキシ樹脂が剥離、曲げる度に干渉、音が鳴るようです。

取り外し、巻き直すと解消されます。直しやすいパターン

私は予防として太いシルクスレッドでガイドをきつめに巻き留め、

ゆるめのエポキシ樹脂を多めに含浸させて対応しています。

 

2.スピゴットジョイント(印籠継)部分

 ジョイント部分から音が鳴るもの

オス側メス側の摺り合わせ不足や、オス側がすり減って「合いが悪く」なりこすれて音が出る場合があります。

摺り合わせ調整・樹脂の塗装などで解消されることが多いです。

問題なのは元竿とフェルールの接着剥離(ブランク内部の剥離)

減圧で接着剤を足す・スレッドをきつく巻き直すなどで対処したことはありますが、

直らないことも多いです。

予防策は・・・信頼できる工作技術を持った工房にブランク製作を依頼する、です

 

3.コルクグリップ内部

 

 コルクグリップ内部の接着剤が剥離し、コルク内部から音が鳴るパターン

接着剤が塗布しにくい部分で、経年により接着剤もコルクも状態が変わるので、

これも難しい部分です。

修理は難しく、完全に直すにはいったんグリップを壊して交換、が必要だと思います。

 

 私は予防として

 コルクの穴をブランクより気持ち大きく(接着剤が行き渡るように)開け、

何度も往復させて接着し、テーピングで圧着する、ようにしています。

 

当店が製作したロッドにつきましては、音鳴りのトラブルに関して修理対応しております。

気になる音鳴りありましたら、ご相談ください。


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