フライロッドの故障(?)に「音鳴り」があります。
ロッドを振るとキシキシと発生源不明瞭な音がする、というもの。
機能には問題ないとされ、メーカー修理の対象にならないこともあります。
発生の原因は様々で、なかなか難しい部分です。
私が今まで見たロッドの音鳴りの原因は大きく分けて3パターン。
1.ストリッピングガイドのエポキシ剥離
フライロッドは前後に振っている時間回数が多く、また根元まで曲がる調子を持つものも多いです。
ストリッピングガイド(一番手元側のガイド)は強度維持のため他のガイドよりも、
強度がある(柔軟性の低い)ダブルフットガイドを使うことが多いです。
竿の柔軟性に追いつかず、しみこませたエポキシ樹脂が剥離、曲げる度に干渉、音が鳴るようです。
取り外し、巻き直すと解消されます。直しやすいパターン
私は予防として太いシルクスレッドでガイドをきつめに巻き留め、
ゆるめのエポキシ樹脂を多めに含浸させて対応しています。
2.スピゴットジョイント(印籠継)部分
ジョイント部分から音が鳴るもの
オス側メス側の摺り合わせ不足や、オス側がすり減って「合いが悪く」なりこすれて音が出る場合があります。
摺り合わせ調整・樹脂の塗装などで解消されることが多いです。
問題なのは元竿とフェルールの接着剥離(ブランク内部の剥離)
減圧で接着剤を足す・スレッドをきつく巻き直すなどで対処したことはありますが、
直らないことも多いです。
予防策は・・・信頼できる工作技術を持った工房にブランク製作を依頼する、です
3.コルクグリップ内部
コルクグリップ内部の接着剤が剥離し、コルク内部から音が鳴るパターン
接着剤が塗布しにくい部分で、経年により接着剤もコルクも状態が変わるので、
これも難しい部分です。
修理は難しく、完全に直すにはいったんグリップを壊して交換、が必要だと思います。
私は予防として
コルクの穴をブランクより気持ち大きく(接着剤が行き渡るように)開け、
何度も往復させて接着し、テーピングで圧着する、ようにしています。
当店が製作したロッドにつきましては、音鳴りのトラブルに関して修理対応しております。
気になる音鳴りありましたら、ご相談ください。