キヌ君は2歳になる頃に急におしゃべりになった。
ちょっと離れたところで働いているお母さんをチラッと見て安心するのか、また一人遊びを始める。
おもちゃの電車をブツブツ言いながら走らせている。
耳を澄ませて聞いていると、「連結します」とか「お待たせしました」とか
夢中で喋っている。
目が合うと「ジイジとバアバが買ってくれた」と教えてくれた。
「よく喋りますね」とお母さんに言うと、マスクをしていない人にだけと言う。
一緒に食事をした時は、一人でスプーンで食べている。
悪戦苦闘しながら黙々と・・・
時々目が合うと「美味しいですね」
こちらの相槌を待つ。
また目が合うと「幸せだね」ニコッと微笑む。
また目が合うと「ありがとう」
良く仕込んだものだと感心してお母さんに言うと
「食事中の言葉はこれだけしか教えていない」
「(忙しくて?)納豆ご飯しか出さなくても、この言葉。こちらが幸せになります」
「どうせ間もなく保育園に行くようになったら、汚い言葉も覚えるでしょうから、家に居る時はテレビもパソコンもスマホも見せないで、読み聞かせしているの。絵本のセリフも言いますよ」とのこと。
それからは、私と夫の食事中の会話は殆ど
「美味しいですね」
「幸せだね」
「ありがとう」
だけ。
これだけで十分な気がする。
深い話はまた別の機会に・・・
とりあえず食事だけは楽しい気分で!