アラ還のズボラ菜園日記  

何と無く自分を偉い人様に 思いていたが 子供なりかかな?

真説 国定忠治 平成弐拾七未年 其の弐拾

2015年03月10日 | 近世の歴史の裏側

 後見渡辺三右衛門の存在も徳には不利に働いた。

顔役三右衛門と女侠徳が玉村宿を二人で結びついたらどうなるか。玉村宿の多くは大いなる不安を

抱き、どうしたら他の進出を拒むことが出来るか、頭を悩ましていた。

 どうもこの火札は自然発生的に書かれ、貼られたのではない。書く者と貼る者と、

おそらく差図した者がいる策略の臭いがする。表立って大惣代の三右衛門と事を構えたくない宿の

人々にとっては、宿住民の総意という意味で、本来不法の火札を考え出したのではないか、

上州の冬、空っ風の中で火付けでもされたら、徳の借家だけでは済まない。

宿全体の存亡にかかわって来る。

 他により外堀から内堀まで埋められ、すっかりその気になっていた三右衛門は窮地に至った。

三右衛門は福島村の年寄で、玉村宿外二十四か村改革組合の大池代ではあるが、

玉村宿の宿政には表立っては、何ら関与出来ない立場にある。

 とは言っも、火札は不法な脅しであるこんなことで引込むようでは大惣代の顔は立たない、

徳とて世間の荒波を何回と何度となく乗り切って来たしたたかな女である。

                                     続く