アラ還のズボラ菜園日記  

何と無く自分を偉い人様に 思いていたが 子供なりかかな?

真説 国定忠治 平成弐拾七未年 其の弐拾四

2015年03月21日 | 近世の歴史の裏側

玉村宿役人の巻返しと想える事


 火札騒ぎにめげず、外堀を埋め、内堀もほぼ埋める目星がついて、ちょうど一息という四月六日、

大津屋源助店一条に支障あり、との知らせか、五目牛の徳のところへ入った。

 確かに大津屋は内諾し、三右衛門の〆の酒を受け取ってはいた。 しかし公式の承認は、

玉村宿が他の人別送りを受領するかに懸かっている。 手続上の問題とはいえ、

かつて五目牛村の千代松家に入籍するとき、徳は辛酸を舐めている。

雑務に追われる三右衛門は不安気に事実のみを簡略に記している。


「四月六日、テンキヨシ  早朝ニ五目牛村徳来り候由、新万や祐吉申来ル、借宅之事、

                                                              四丁目日野屋代次郎殿取扱ニ来ル」


 前夜にでも他の耳に不吉な情報が聞こえたのであろう。

徳は取るものも取敢えず、 真実を確かめようと、飛んで来た。借家一件の事の成り行きには、

大津屋へ贈った〆酒を買った日野屋代次郎が、立会ってくれることになった。

 

                                                                      続く