アット・ホーム・アット・ザ・ズー
6月22日 シアタートラム
作:エドワード・オルビー
演出:千葉哲也
翻訳:徐賀世子
第一幕 ホームライフ
出演:堤真一、小泉今日子
第二幕 動物園物語
出演:堤真一、大森南朋
1958年(私が生まれた年!)にデビュー作として書かれた戯曲「動物園物語」
50年近く経ってから、書き足された前編の「ホームライフ」
通しで上演するのは、日本初演。
出演も、堤真一に小泉今日子、大森南朋と今を時めく3人。
チケット取るのも大変でした
先行抽選は、ことごとくはずれ
友人が当選した日は、研修と重なり…
一般発売日に、発売開始時間の15分前からコンビニのチケット発券機前に並んで、ようやく取ったチケットでした。
10分前になったら、2人後ろに並んだので、あと5分遅かったら、取れなかったので、ギリギリセーフでした
期待に満ちて観劇しました
第一幕は、ピーター(堤真一)とアン(小泉今日子)と言う40代の夫婦の物語。
「ねえ、話があるんだけど…」とピーターに話しかけるアン。
端から見るとすべてにおいて満ち足りているようにみえるが、心のどこかに物足りなさを感じているアン。
言いがかりのようにつっこむアンの言葉に、ピーターは戸惑いながらも対応する。
具体的な性描写や性器を表す言葉がたくさん出てくるので、えっ?この2人にこんなセリフ言わせちゃうんだと言う戸惑いもありました。
笑っちゃう場面もあったりするんだけど、ここで笑っちゃっていいのかな?(エッチな人って思われないかしら?)なんて気になったり…
ニューヨークの夫婦ってこんな会話をしてるんだ…と自分と比べて見たりして…
第二幕は、その後いつもどおり、読書をしようとセントラルパークにやってきたピーターに「動物園に行ってきた」と突然話しかけてきたジェリー(大森南朋)との話。
あんなアンとの会話があった後に、【いつもどおり】って言うところが、その後の展開に対する伏線なのかな?と思いました。
動物園で何があったのか話そうと言いつつ、ジェリーは、ピーターの個人的なことを聞き出そうとする。
最初は、あいまいに応じていたピーターだったが、問われるままに答えてしまう。
ジェリーは、一方的に話し始め、言葉も態度もだんだん暴力的になってきて…
ピーターもいつも座っている公園のベンチを取られたところから、そこまでベンチに執着しなくても…と、だんだん尋常な態度ではなくなっていく。
ジェリーがナイフを取り出したところから、緊張の度合いが高まった。
ジェリーは、ナイフをピーターに握らせて、自分からそのナイフに向かって体を預けていく。
驚きあわてるピーターに対し、ジェリーは、早くこの場を去るように伝える。
そして、自分のシャツでナイフの柄を拭いた。
その言葉に戸惑いながらも、あわててその場を去るピーター。
ひとり残されたジェリーは横たわったまま…で暗転
動物園で何があったのか?
ジェリーは、ホントに死んじゃったのか?
逃げたピーターは、つかまったのか?
アンにこのことを話すのか?
もし聞いたとしたら、アンはどうするのか?
いろいろ知りたい諸々は提示されずに、物語は終わる。
ジェリーがピーターを刺したなら、「やっぱね」って普通の話で終わるのだけど…
自殺っぽい形でも、ピーターがジェリーを刺すから、衝撃的な幕切れに感じました。
常識人のピーターでも、いつもと変わらないことをやっていても、何かのきっかけで、物事がとんでもない方向に転んでいってしまう。
50年前に書かれたものとは、全く思えないほど、古さを感じない話でした。
【動物園物語】は、ずいぶん昔にパルコ劇場で観たことがあったので、ストーリーはおぼろげながら覚えていました。(ピーター:光石研、ジェリー:田中哲司)
その時は、ピーターは、なんでそんなにジェリーの話を聞いてあげてるんだろう?って、ちょっと不思議に思ったんですが…
今回一幕目の【ホームライフ】を観て、自分なりの解釈をしました。
わかっていたようで、わかっていなかった妻に対して、きちんと話を聞いて、向き合おうと考えたピーターが、そのことは、誰に対しても同じと考えたから、人懐っこく接してきたジェリーに対しても、ちゃんと向き合ってあげた。
だから、ジェリーも自分の話を聞いてくれたピーターに対して「ありがとう、楽しかった」と言ったんだと…
なんだか、観終わったあとでも、いろいろと考えちゃう芝居でした。
堤真一の素っぽく見える笑顔がたまりませんでした
パルコ劇場の【動物園物語】は3公演しかやらなかったんですが、私の観た回は客席がとっても豪華でした。
小泉今日子、とよた真帆、小林聡美、木野花などきちんと名前が浮かぶのは数人ですが、他にもたくさん観に来てました。
2人芝居なので、客席のほうが俳優の数が多い!!とちょっと興奮しちゃったことを、今でも鮮明に覚えています。
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