自分の花を

カメラ好きによる、写真で伝える自己満足の世界。

さくら

2006年03月30日 | 社内の喫煙所
神奈川県の小田原に近い山北から出勤してくる同僚がいる。
役職定年を迎え、無常にも通勤距離を考慮してもらえず、同情したくなるほど遠くからの出勤だ。
このおじさんの地元では、最寄駅は御殿場線のワンマン電車が走っているという。
桜が咲く頃には沿線は桜並木に囲まれ、非常に綺麗だと有名で、
毎年、噂を聞きつけ都心から御殿場線目当てに来る人が後を絶たないらしい。
この御殿場線、ワンマン電車ならではのボタン方式な乗り降りらしく、
駅に電車が到着しても、ボタンを押さないかぎりドアが開かない。同じく降りるときも、である。
毎年、都会人は気付かず無常にも乗り過ごし慌てているという。
おじさんは言う。
「しょうがねぇなー、都会人は!ワンマン電車の乗り方もわからねーでよー!
まだこっちは走ってんだよ!」 と、なぜかべらんめえ口調なのだ。

そんな都会人をバカにしていたおじさんが、つい先日の出勤時に起こった出来事だ。
慌てて駆け込んだ車両が、珍しく空いていたという。「こんな事もあるのか・・。」
とたいして気にも止めていなかった。
しばらくすると、周りの視線がチラホラと気になり始めた。当初、ズボンのチャックでも開いているのかと思いきや、
そうでもなく、まんざら俺もまだまだイケてるのかと年甲斐もなく勘違いしている頃、後ろの車両から、車掌が乗り越しの車内清算の為に現れた。
おじさんを見た車掌は慌てて駆け寄り、
「申し訳ございません。ここは女性専用車両になっておりますので、別の車両に移っていただけますか・・。」おじさんは恥ずかしさのあまりに言葉を失ったという。話には聞いたことがあったらしいが、まさか自分の乗っている電車に導入されているとは思わなかったらしい。
他の乗客からは「田舎モン!」と、冷たい視線を浴びせられていたのだろう。
車掌に促され、車両をから出ようとした時に、思わず車掌に向かって
「おい、兄ちゃんよ!しかし、半分くらいは関係なさそうな奴ばかりじゃねえかっ!」と、照れ隠しに無駄な抵抗を試みたらしいが、
「そういうのを 屁理屈というのよ!」と、細木数子に一喝されそうな、いい年して子供みたいな言い草を捨て台詞に車両を移ったという。

やはり、一貫して言える事は、「気付いたら教えてあげること」が大事なんだな~と、
あいだみつを ならぬことを実感してしまった。






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