野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

子どもの本がおもしろい㉜コーヒー豆を追いかけて

2018-11-22 | 資料を読む
子どもの本がおもしろい㉜コーヒー豆を追いかけて―地球が抱える問題が熱帯林で見えてくる 
セブン-イレブン100円コーヒーはブラジルコーヒー。
その場で豆を挽いて、100円でおいしいコーヒーが飲める。
そのブラジルではコーヒーに砂糖をたくさん入れたコーヒーがおもてなし。
真夏のような暑いときにも、小さなカップで出てくる熱い甘いエスプレッソコーヒー。
今回の本はブラジルではなくインドネシアのコーヒーの話
コーヒー豆を追いかけて―地球が抱える問題が熱帯林で見えてくる  原田一宏著 くもん出版 2018年

「コーヒー豆のことを調べると、地球上のさまざまな問題が見えてきます。」
第1章 コーヒーと人間の長い歴史
/第2章 コーヒー豆は種なんだ
/第3章 コーヒーは世界じゅうで人気者
/第4章 コーヒー農園を訪ねる/第5章 熱帯林を守る
/第6章 農民たちの生活
/第7章 みんながゆたかに暮らすには
/第8章 調査地に恩返しを

著者の原田さんは、熱帯アジア地域で森林と共に生きる人々の暮らしについて研究している学者。
インドネシアのコーヒー農園で働く人々の現実を知ろうと、現地での調査をはじめた。
調査からコーヒー豆の取引値段をめぐる先進国と原産国の待遇格差等がわかってきた。
それを、分かりやすくまとめてある。
コーヒーもアグロフォレストリーで作ったほうが成長が良いとか。

コーヒーの歴史から品種、どのように世界に広がったのか
アラビカ種は、エチオピアに自生していた。6〜9世紀に飲料の原料としてイエメンにわたり世界中に。ブルーマウンテンなど、世界各地の有名な産地の名が知られている。
ブルボン種はアラビカ種の突然変異したもの。ブラジルではコーヒーの原型と言われています
ロブスタ種は病気に強く、アラビカ種に比べて栽培が容易。
しかし、味は劣るのでインスタントコーヒーや安価なブレンドコーヒーなどブレンドして飲まれる。
ベトナムでも初に導入されたのはアラビカ種であったが、栽培がむつかしく、増えることがなかった。
ベトナムが世界第 2 位のコーヒー輸出国になったのは、ロブスタ種のおかげである。
本ではこのようにコーヒーの歴史だけでなく、洗剤などに使われるアブラヤシ農園開発や地球温暖化による森林破壊を報告。
今では、熱帯林を守るために政府が国立公園を整備した話なども紹介している。
身近なコーヒーをきっかけに環境問題を取り上げている。