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笹井宏之「ひとさらい」ステーキナイフ

2012-09-17 03:59:36 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
人類がティッシュの箱をおりたたむ そこには愛がありましたとさ

この一首で「ひとさらい」は終わる。愛がありましたとさ。というどこか投げやりさを感じさせる、けれど確かに愛があったとも思わせる言葉で。人類という大きなものとティッシュの箱という小さなもの。それをおりたたむのも人だ。そんな些細な日常の行為に宿る愛。そんな愛が作者は好きだったのかも知れない。大袈裟な愛よりも。