ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

阪森郁代「ランボオ連れて風の中」美しき焦躁

2012-09-19 05:49:07 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
あら草と共にひかりに打たれゐて読みたくなりぬゴッホの手紙

今日より阪森郁代の第一歌集「ランボオ連れて風の中」を読みたい。
私は作者の歌集が好きだ。いつも興奮を覚える。

大抵、歌集の最初に置かれる一首は作者の本質を一番に表す。特に第一歌集は。
「あら草と共にひかりに打たれゐて」の光景とゴッホ。ゴッホからこの一首は夕刻の黄色い世界だと分かる。そしてその手紙。テオやベルナールに宛てたその手紙にはゴッホの葛藤や苦悩、孤独が記されている。作者はきっと「美しき焦躁」という題からも分かる通り、ゴッホに共鳴している。