ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

詩、風と時間

2016-05-13 13:18:08 | 
黄金色の蝶
下る坂道
通り過ぎる五月の風
絡め合った舌の感触
指で触り合った耳たぶ
不用意にぶつけ合った言葉
時間はあなたに差し込んだぺニスのように
とても不確かで
確かに感じていたのは時間だけが過ぎて行くことだけで
いつかはきっとすれ違うことだけが互いに信じられたことで
あなたが梅の匂いを嗅いだことがあって
その時に上を向いて
その髪が少しだけ風に揺れたことがあって
何故だか僕はそれが悲しくて
思わず駆け寄って
何も言えなくて
説明出来なくて
そんな気持ちを思い出して
もう交わらない時間
もう交わすことのない言葉
これまで交わしていた目線
愛は残酷なまでに当たり前に通り過ぎるこの五月の風




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