ぶらつくらずべりい

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阪森郁代「ランボオ連れて風の中」森のテラス

2012-12-20 05:53:20 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
地に生(あ)れて燃えやすきものあまたあるたとへば冬の風下の虹

冬の風下の虹。この言葉は美しい。それは滅びの予感を孕んでいるからだ。地上の恐らく燃えやすきものの中で最も美しいものだろう。人の存在もそれに含まれる。

阪森郁代「ランボオ連れて風の中」森のテラス

2012-12-18 05:55:34 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
野にさらすわが肺葉に白びかる冬の半月泛かべてみたり

この一首にも野と葉というイメージのコントロールがある。肺葉に白びかる冬の半月を泛かべるというイメージ。自然の中にではなく自然を肺葉に。こういう発想の歌をあまり知らない。作者の歌が好きだ。