ゴキャー…

　季節が変わったらテンプレートを変えることにしました。

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　家に帰り上着をベッドの上に投げ捨てて、ネクタイを緩めて呟く。

「アヂ～」

　暑いのは良い。しかしアイツだけは許せない。

ゴキカブリャー

　家の玄関を開けた時に嫌な気配を感じた。キッチンの電気をつけて白い壁と天井を見渡す。そしてサッシの枠。白いサッシの枠。サッシは白いのに黒い部分がある。グ…。今年も言っておくが僕は「ゴ」が大嫌いである。スイーツと「ゴ」のどっちが好き？と聞かれた200%スイーツ！！！が好き！というくらい「ゴ」が嫌いである。もちろんキミもそうだよね？比較対照がおかしいかしら？

　ゴキジェッターはベッドが置かれた部屋にある。靴を脱いでヤツに気づかれないように床に足を踏み下ろす。よくさ、映画とかで女が悲鳴をだしたりするじゃん。あれってまぁ映画だから演技なんだけど、リアルであったとしても演技だと思うんだよね。男と女が全然違うッつうなら別だけど、男というかオレの場合はとっさの時には声なんて出ないよ。喉元から音が出るという感じになるだけだ。

　つま先が床に触れた時、黒い物が落っこち羽ばたいた。言葉に鳴らない音を発しながら後ずらりし、ドアに後頭部を強打する。

　蛾だった。

「蛾」
鱗翅(りんし)目の昆虫のうち、チョウ類を除いたものの総称。主に、夜間活動し、胴が太く地味な色で、触角は糸状・羽毛状・くしの歯状などをし、静止するときにチョウのように翅(はね)を立てないものをいう。

　僕は胸をなでおろしキッチンを後にした。