(「栗きんとん」の老舗)
(中津川で見られる「栗きんとん」ののぼり旗)
(中津川宿 4)
中津川の名物は「栗きんとん」。
「栗きんとん」と聞くとすぐ思い浮かべるのが、
正月のおせちに出てくる「栗きんとん」。
黄色で栗が何個か入っていて、粘り気があり水飴みたいなもの。
子供や女性は大好きであるらしい。
我が家では、カミサンが好きでないせいか、
「栗きんとん」と聞いて子供たちもうれしそうな顔を見せない。
今度行く中山道の名物は「栗きんとん」と言っても、
誰もお土産に買って来いとは言わない。
(栗きんとんの包み)
中津川宿の名物「栗きんとん」は、
おせちに出てくる「栗きんとん」とは少しわけが違う。
栗きんとん製造所の説明によれば、
「栗きんとんは、蒸した栗をタテ割りにして、
竹べらで実をほじくり出す。
それをつぶして少量の砂糖を加えながら煮る。
煮あがったのを、茶巾渋りにする。
気抜けがするほど簡単な加工だ。」と製法が書かれている。
(栗きんとんの包みを広げた所)
(ぱくりと一口ではいる)
幾代にも渡って、名物となるようなものは、
作り方が簡単で、それでいて口に入れると絶妙な香りと味を持っている。
この栗きんとんがそれだ。
この素朴な菓子作りを、
何時までも続けて欲しいものである。
素材となるのは木曽の山栗にはじまることであり、
かの江戸期の戯作者 十辺舎一九(じゅっぺんしゃいっく)は
文政二年(1819)に木曽路を旅して、
「岐蘇街道膝栗毛(きそかいどうひざくりげ)」の馬籠宿のくだりで、
次のような狂歌を詠んでいる。
それほどここの山栗は美味しいのである。
・渋皮の むけし女は 見えねども 栗のこわめし 爰(ここ)の名物 (十辺舎一九)
(十辺舎一九のこわめしの歌碑)
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