のり巻き のりのり

飾り巻き寿司や料理、己書、読書など日々のあれこれを書いています



読書の思い出

2015年10月29日 | ファミリーヒストリー
一つ違いの妹がいました。
いつも私にくっついて、同じことをしていました。

両親は洋服も、持ち物も、プレゼントもいつも同じものをちょっとの色違いで与えてくれました。
たった一つ違いだったので、常に平等に接してくれたからでしょう。

性格は全く違うのに、けんかをしたこともなくとても仲のよい姉妹でした。
小学生のころは少女雑誌「りぼん」「なかよし」を楽しみに読んでいました。

「りぼん」は私、「なかよし」は妹。もちろん交換します。
             
今もあるんですね。昔はこんなにキラキラしていませんでしたが。

ある年のクリスマス、目が覚めると枕元にはどーんと大量の本がサンタブーツといっしょに置かれていました。
少女文学全集でした。たしか30冊ほどだったような気がします。
それから夢中になって本を読み、読書の楽しさを知るようになりました。
次の年には、少年少女文学全集、これは45冊から50冊くらいはあったはずです。

やがて河出書房の「世界文学全集」と進む頃にはいっぱしの文学少女を気取っていました。

この全集は最近まであったのですが、2段組、ものすごく小さな字で、今ではとても読めません。

しかし、寝食を忘れて読みふけるほど、青春時代は鋭敏な感性をもっていたのでしょう。
若き乙女の悩みも本の中で昇華されていきました。

他の物はともかく、「本を買う」と言えばいくらでも許してくれた父には感謝の気持ちでいっぱいです。
11月7日までの読書週間、すっかりさび付いた感性を少しでも磨くために、さて、どんな本を読みましょうか。

大人になってからも「今、どんな本を読んでる?」と尋ね合い、本を交換した妹は、5年前に亡くなり、もういません。