『日本の風俗嬢』の著者・中村淳彦によると、
日本には、35万人の風俗嬢がいる。
そして、有名大在学中の女性も多いという。
主な理由は、学費を稼ぐためだ。
確かに大学の授業料は、
とても高いし、
少なくとも、簡単に出せる額ではない。
現在は、不況の世の中・・・
効率のいいバイトを探すのも大変だ。
大地一人が、
短大で教えていたころ、
ほとんどの女子学生はバイトをしていた。
毎日、夜11時半まで、
居酒屋で、働く者もいた。
中には、水商売をしている者もいた。
そういうことを知っているだけに、
風俗嬢をやめろ・・・とは、言えない。
現在は、子供を育てるために、
風俗で働くシングルマザーも、
たくさんいる。
風俗のいい点は、
時間の拘束が少なく、
子供たちに寂しい思いをさせずに済むことだ。
そうやってがんばっている女性たちに、
風俗嬢をやめろ・・・とは、言えない。
少なくとも、
俺は,
風俗嬢をやっているからと言って、
その女性の人格を否定したくはない。
若いころ、
大地一人も、風俗店に行ったことがある。
その時の経験では、
風俗嬢は皆、人情に篤く、
ノーマルな女性たちばかりだった。
むろん、
風俗をやることによって、
いろいろなマイナスもある。
それはことさら、ここで述べなくても、
皆が知っていることだ。
でも確かなことは、
現在の日本の社会では、
風俗嬢は必要な仕事だということだ。
誰かがやらねばならない仕事だ。
世の中には、「できれば、やりたくない仕事」は、
いろいろある。
でも、それは誰かがやらねばならない。
俺たちが、マックや吉野家で、
おいしい牛肉を食べられるのも、
誰かが、牛をしているからだ。
原発の事故が起きても、
誰かが、
危険地帯に入って、
故障を直さないといけない。
寝たきり老人のシモの世話も、
誰かがしないといけない。
敵が攻めてきたら、
誰かが、死を賭して、
向かっていかないといけない。
首相が拳銃で狙われたら、
体を張って、
守る人も必要だ。
俺は自分の母親や娘が、
風俗に勤めていても、
かまわないと思っている。
それは、個人が決めることだ。
風俗嬢を軽蔑する人は、
偽善者だと思う。