2024年5月15日(水)晴れ
福岡高裁那覇支部は、辺野古住民が求めてきた案件について、「原告適格」を認めたのだ。といっても知らない人には何のことだかわかるまい。こういう案件だ。2013年3月、防衛省沖縄防衛局が沖縄県に辺野古埋め立てを申請した。同年12月、仲井真弘多知事がこれを承認。2018年8月沖縄県が埋め立て承認を撤回。同年10月、沖縄防衛局が行政不服審査請求で国土交通省に審査請求。19年4月国土交通省が県の承認撤回を取り消す裁決。沖縄県による国への訴えとは別に名護市民(15名)が裁決取り消しを求め国を提訴。
那覇地裁が2020年4月、15人の原告の内、11人の原告適格を認めず、訴えを却下。裁判長が替わり、2022年4月、認められそうになっていた原告4人の訴えを却下。その1審判決を高裁那覇支部が2024年5月15日、4人の原告適格を認めたのだ。
正直に言って、私も全くこうした判決が出るとは思いもしなかった。国・国・国の流れができていたからだ。3権分立は死んでいると思いこまされていたからだ。
判決は、15時からだと聞いていた。私は傍聴もせず、別室にいた。15時過ぎ、東恩納琢磨「住民の訴訟原告団」長が血相を変えて走り出していた。私も追っかけた。
15:01 那覇地裁(高裁)前で。
「原告適格認める」に(良い意味で)呆然とした。左が東恩納琢磨さん。
記者から取材に応じる原告の金城武政さん。緊張した面持ちだ。15:09
15:09 当然な判決だからこそ、この4年の道のりと今日の判決に緊張する。原告適格が認められなければ、是非を問うこと一切ができなかったのだ。
改めて、「原告適格を認める」と「裁判はこれからだ」を掲げた。裁判所前の城岳公園にて。
15:17
15:17 傍聴・支援に集った人々も、やっと事態を飲み込んできた。
那覇地裁・高裁をバックに写す。15:18
私は辺野古ゲート前の常連の三線のお姉さんに、「三線持ってきていないの?」と事前に促していた。車においてあるという。
15:20 彼女が三線をもってきて、歌い出す。15:20
踊り出す人も居た。15:21
やっと参加者に喜びが溢れてきた。
手前の彼女は記者。本社に速報中で、動けない。
弁護団の白充弁護士。これで住民の訴訟の道が開けるだろうと語る。但し国は最高裁に上告する可能性もあり予断を許さないとしながらも、訴える意義を語り、住民こそが主権者なのだと強調していた。
全くその通りだ。15:27
この第一歩を機に前進していこう。住民をないがしろにする国を公の場に引きずり出し、論議する事が重要だ。それこそが住民の権利であり、生存権を掛けて闘うことにつながるはずだ。15:34
落ち着きを取り戻し、喜びをかみしめながら、決意を語る東恩納琢磨原告団長。15:37
私も名護市民であり、本日は新聞社、テレビ局から取材を受けた。琉球新報の記事を確認している。
名護市民としてやれること、やるべきことを考えながら、私も抗議し、訴え続けていきたい(裁判という形ではないが)。
追記:5年に亘る原告各位、そして弁護団の皆様のご尽力に敬意を表し、また感謝したいです。ありがとうございました。
(判決詳報は別途)