2025年2月19日(水)晴れ
前日のホワイトビーチの撮影が、我ながら不甲斐なく、もう一度きた。以下は昨日、2025年2月18日
ホワイトビーチに掃海隊群が集結中、原潜も居た(20250218) - ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び
「77番バス」で与那城へ。12時頃。バスを降りた途端、轟音が聞こえてきた。CH-53大型ヘリだ。久しぶりに奴の低空真上を飛ぶ姿を見た。いや、もう1機。南から北へ飛び去った。カメラを出していなかったので、撮影不可。
ここは勝連半島の中央部。県道8号を東進する。与勝高校への坂道を右に上がっていく。上がりきったところに、太陽光パネルがある。東を見れば。
12:40 やはりいた。揚陸艦が3隻だ。ここから約1500m先だ。
「やはり」というのは、昨日の夕から来ているだろうとの予想。そして今日バスの車内から海兵隊のバス(クリーム色)3台に追い抜かれたのを見たからだ。これが決め手。
12:46 左手の森にはモミジヒルガオ(つる性植物)が春爛漫だ。ここで私は上着を脱いだ。
12:48 右手奥に海上自衛隊のDD108「あけぼの」だろう。昨日陸軍岸壁を離れながら、出港しなかったのでこうなると思っていた。
先を急ぐ。
13:01 私が立っているここはうるま市が管理している車道だ。崖崩れが起きており、お陰で海側の視界が開かれた。車両の「通行禁止」と出ているが、ちらほら通るので、歩行者は注意してください。
手前が陸軍岸壁。バスとトラック等が待機している。トラックは艦艇への補給だろう。バスは乗員をどこかに運び、休養をとる。
奥が海軍岸壁。その奥の島は津堅(つけん)島。
なお、「平和のための基地ウォッチャー」は、ここに艦艇がいることを確認するだけではなく、何をしているかを可能な限りつかむことが重要だ。そこにホワイトビーチという軍港の役割が浮かび上がるからだ。
13:02 ドック型揚陸艦LSD47「ラシュモア」(佐世保基地)
満載排水量約11000トン。全長185.8m、最大幅25.6m、後部甲板にヘリコプター等の離発着が可能(長さ64.6m。幅25.3m。本艦の特徴は船内にあるウェルドック。長さ134m、幅15.24mもある。LCACエアクッション型揚陸艇ならば4隻を搭載。ウェルドックとは海水を引き込み、そのまま艦艇から海上に飛び出せる仕組み。揚陸艦のLはLanding。
乗員は士官21名、曹士約290名。揚陸隊(海兵隊)の士官27名、曹士約375名を乗せる。武装は弾幕を張るCIWS×2基。近接対空ミサイル21連装発射機など。
なお、この時間だと太陽が高く、被写体の向こう側にあるので、逆光になる。露出補正しているが、やりすぎると海面が真っ白に飛んでしまうので、ほどほどに。
ホワイトビーチの展望台(児童公園)に上がる。13時20分。
13:22 海軍岸壁。左が強襲揚陸艦LHA6「アメリカ」。右がドック型輸送揚陸艦LPD22「サンディエゴ」
右手前が海上自衛隊の掃海艦MSO304「あわじ」(横須賀基地)、掃海艇MSC605「ちちじま」(横須賀基地)だ。(左が「あわじ」、「ちちじま」)。左手前がYDT06の水中処分支援船。
揚陸艦3隻は佐世保基地を拠点としている。佐世保基地は第7艦隊(在日米国海軍基地)の揚陸艦隊等の基地であり、ホワイトビーチは前進基地だと言える。海兵隊(人員と装備)をここから載せて出撃するからだ。
今回の共同演習の海上自衛隊の揚陸艦はLST4003「くにさき」だが、ここに姿を現していない。既に陸上自衛隊水陸機動団の兵隊を乗せて出港(佐世保?-どこから乗せたかは不明)しているに違いない。
13:23 強襲揚陸艦「アメリカ」。全長257.3m。全幅32.3m。満載排水量45000トン。甲板上にMH-60ヘリ(2機)しか載っていないが、F-35B戦闘機×6機、MV-22×12機、CH-53×4機、AH-1×4機、UH-1×3機などを載せる。この型にはウェルドックはなく、1個大隊揚陸チーム約1900名を乗せる。アメリカの乗員は、士官65名、下士官兵994名。船尾側の左右にエレベーターが付いている。船体の格納庫からこれで甲板に引き上げる。
岸壁に下船した人たちがあふれている。クレーンは左右に4個が置かれている。
13:31 左奥の駐車場に観光バスがあふれている。海軍兵を下ろし、ひと休みさせるのだ。
13:31 「アメリカ」の甲板で動いていた白い小型のクレーンは作業終了のようだ。
13:33 海軍岸壁の移動状況。バスは迎えに行き、トラックは補給に行く。
13:42 アップで見る。「アメリカ」から下船してきた人が多い。クレーン4基。エレ―ベーターに1基が積み込み作業中。
沖に海軍警備艇が警戒している。
13:42 航空機の飛行第一に造られているため、兵装は目立たないが、ESSM(発展型シースパロー)8連装発射機(艦対空ミサイル)×2基を備えている。またRAM21連装発射機×2基もある。ほか、近接対応の武器も色々搭載している。
13:51 下船してきた兵隊たち。私服だ。
13:51 岸壁の右側で海兵隊がゴムボートを出し、演習を始めている。
13:53 海軍岸壁。こうした姿を見て、皆さんはどう思いますか? 鉄の塊が重火器(戦闘機を含む)を乗せて動く。陸上自衛隊は「令和6年度第3海兵機動展開部隊との共同訓練(アイアン・フィスト25)」と呼んでいる。目的に「水陸両用作戦に係る行動を共同・統合により演練し、相互運用性の向上及び水陸両用作戦能力の向上を図る」と公表している(陸上幕僚監部2025年1月24日)
「共同」は日米両軍の共同だが、「統合」は陸上自衛隊・海上自衛隊、海兵隊・海軍の「統合」。統合は海兵隊・海軍の軍種をまたいだ統一した指揮下で行うこと。寄せ集めでないことに注意すべき。これは演習と言うことでオブラートに包まれているが、共同軍が戦うということはどちらかの指揮官の下で戦うことになる。勝つか、負けるかを争う軍隊の指揮系統がチグハグではマイナスになってしまうからだ。特に現代戦は科学技術戦であり、無線による指示が飛びかうのだ。電子戦なのだ。
今回、海上幕僚監部は「日米共同訓練について」を公表している(2025年2月18日)。目的を「海上自衛隊の戦技技量及び米海軍との相互運用性の向上」とし、2025年2月19日~3月2日、訓練海域は「沖縄周辺」だ。参加する部隊もほぼ重なっている。
こうした訓練は、たまたま「ご一緒しましょう」ではないはずだ。「日米同盟の抑止力・対処力」の強化とは、一般論にあらず。対中戦争に身構えた「日米同盟の抑止力・対処力」であるはずだ。実態は隠されているが…。
14:14 北西側から飛んできた海兵隊ヘリ2機。今日は晴れているので、バッチリ写った。右がUH-1汎用ヘリ。左がAH-1対地攻撃ヘリ。この2種がツィンで動くことは多い。前の機体のドアが全開されているが、このドアの下にロケット砲を設置していることも多い。これでははっきり見えないが、その可能性はあるということだ。中城湾を越えて、普天間基地に戻るのだろう。
14:48 ヘリパッドの脇に集まっている海兵隊員。ズタ袋を置いており、これから乗り込むのだろう。
14:53 左奥が強襲揚陸艦6「アメリカ」、右奥はドッグ型輸送揚陸艦22「サンディエゴ」
LPD22はサンアントニオ級ドック型輸送揚陸艦だ。満載排水量25883トン。全長208.5m。最大幅31.9m。輸送揚陸艦と言われるように車両等の積載能力は2323平方メートルとなっている。ウェルドックはLCACならば2隻搭載可。武装はRAM近接防空ミサイル21連装発射機2基など。上陸作戦を指揮できる戦闘指揮システムを備えている。
手前左が海上自衛隊のYDT6水中処分支援船、右手前が同じく掃海艦304「あわじ」、掃海艇605「ちちじま」だ。
14:54 「アメリカ」の甲板。まだクレーンの積み込み作業が続いている。
今日はここらで帰る。公園をおりる。この下りたところが意外な撮影ポイントなのだ。
ただし時々自動車が通るので、道のど真ん中に出る際は、細心の注意を願います。
15:05 人家と電線を外すのに苦労する場所だが、たかだか50m余り歩いただけで、こんなに違う。
15:05 右に海軍岸壁に停泊している「アメリカ」と左奥に沖合停泊している海上自衛隊「護衛艦」=戦闘艦「あけぼの」
ここは米海軍基地ホワイトビーチであって、自衛隊は米軍の下請けと言えるシーンに見えるのだ。
今日の私はここで帰る。
追記:2月19日から始まった「アイアンフィスト25」などの演習で、海軍揚陸艦等は如何に動くのだろうか。海兵隊は如何なる演習を展開するのだろうか。私は、要注目していきたい。