2021年2月7日に行われた浦添市長選は大変厳しい結果となった。現職の松本哲治氏(33231票)が伊礼ゆうき氏(22478票)より1万票余り多く獲得するという大差を付けたのだ(開票率:98.49%)。それも投票率は前回よりやや上回り、有権者に占める男女数・比をみると女性が多いのだ。これで松本市政8年間が信任されたことになり、軍港建設(移設)を含む国家プロジェクトが動き出していくだろう。
大変厳しい結果となったのは、浦添市民ばかりではない。沖縄県民の命運が「開発ー振興」の名をもって軍事化に歩み寄ることになりかねないからだ。2022年の県知事選にも暗雲がたなびいているのだ。
浦添市長選の総括は様々なレベルで行われていくだろう。私にも思うところがある。おいおい書いていきたい。ひと言書いておけば、市議選との同時選挙なのに、ポスターを見ている限りでは、だれがどちらなのかすら分からない選挙だった(共産党候補は明記しているから分かる)。少数野党であり、この選挙もそうでありながら、野党側に統一性がなかった。自民党・公明党の市議団は連携し、松本候補支持をはっきりと打ち出していた。だから分かりやすかった。選挙とは組織戦を避けて通れず、横断的な連携ができなければ、「市民の力で止める」と言うだけでは、市民の疑念を晴らすことはできなかったのだ。
今度の浦添の選挙は、開発か保全か、開発か軍港化反対だった。私自身は54年前(1967年)に自然を守る運動から政治に関心を持ってきた人間なので、今回の伊礼候補の選挙選に関心を大いに寄せてきた。これだけの時間が経っても(1967年から)変わっていない、変わらない現状に、憤りばかりか、やるせなさを覚える。イメージを超えた認識が普及していないのだ。
一方で、私のやるべき事がくっきりと浮かび上がった選挙となった。私たちは、嘆いている時間はない。立ち止まることもできない。名護だ、浦添だ、うるまだと、地域に閉じ籠もっていてもダメだろう。地域に拘りながら地域を超えた連携と視点をもたなければダメだ。
立ち止まることはできないが、冷静な議論をしなければならない。政党を超えた市民がイニシアをとれる力をもたなければならない。市民だ、無党派だといっても、様々であり、この中味が肝要なのだ。