東京オリンピック開幕まであと1週間となった。この国は1941年時点でも大きな読み間違いをした。アジアへの侵略戦争に必勝を期したい余りに、資源を求め、一線を越えた。戦争は国と国の、あるいは国と民族・民衆との戦いだ。ここに、当然の如く彼・我の力関係を読む。この読みを間違え、「聖戦」を誇示しながら、アジア・太平洋戦争に突入したのだ。つまり大日本帝国が犯した誤りは、①侵略戦争に固執し、継続したこと。②敵と自国・自軍の力量を弁えず、人々を自滅の道に導いたこと。③大間違いだったからこそ、益々反省せず、戦後を生きてきたわけだ。この防波堤に、天皇制というものが好都合だったのだ。
あれから80年、76年が経つ今。ウィルスには強権・武力は通用しない事は明らかなのに、こうした常識を欠いた政権は、「オリンピック戦争」に突入している。彼らに、科学的判断を求めることは無意味だろう。現に無意味であることをあらゆる事象が明らかにしている。日々、コロナ感染症の陽性者が増えている東京。オリンピック関係者の入国は泡で包むから大丈夫だと言いながら、空港から隔離していないし、関係者に陽性者が出ても明示されなくなった。
今次オリンピック戦争も「聖戦」なのか。「世界最大の平和の祭典(作戦)」だから? 敵を見誤った戦争は、戦争の体すらなしていないのに、私たちには迷惑な話だ。菅政権やIOC,JOCが欠いていることは、科学的な洞察力を初めからもたず、対策を怠ってきた。こうなる結果は見えていた。
一々も早く菅政権は、JOCはもとよりIOCも東京オリンピックを中止することだ。後は野となれ山となれとなれば、オリンピック期間後まで長期に亘って世界大でこの混乱は続くだろう。8月は夏休みやお盆もある。コロナ禍は夏休みだからお盆だからと待ってはくれない。「夏休み停戦」はありえない。そしてこの災禍は沖縄にも襲来することは必至なのだ。
どうしたら良いのか、私も途方に暮れる。那覇空港や各空港や港で、徹底的にPCR検査を行い、陽性者を入れないことしかないだろう。それで大混乱が起きたら、菅(自公)政権の責任だ。彼らに責任をとらせるしか方法はないはずだ。
利権以外のことを考えない連中に政権をまかせておいたら、どうにもならない。どうにもとまらない。私たちは本気で自治と人権と追求し、科学を吟味しなければ、人間が作ってきた世界は終るだろう。
このことは、沖縄の基地問題とコロナ禍を巡る政治は、通底しているということだ。私が敢えて「オリンピック戦争」と書いたのも、そこを意識しているからだ。大義名分で利権を隠し、儲ける政治。この状況下でオリンピックに突っ込むという愚は尋常ではない。オリンピックという権威を疑おう。因にウィルスには「権威」も一切関係ない。如何なる権威にも遠慮してくれない。希望的観測も関係ない。人間が、国家が、徒に突っこんでも勝てる相手ではない。
そうか、人間とはこの程度に単純なのだ? 否、だからこそ、私たちが考えて動き始めるしかないのだ。何もかも。諦めない愚直な人達が声を上げ続けるしかないのだ。