こんにちは。今日の沖縄タイムス1面に、「米兵また性暴行疑い」がでている。私は「またか」と思う。今回は被害者が駆け込んだ病院側が県警に、伝えたようだ。県警は9月5日、20代の在沖米海兵隊員の男を不同意性交致傷の疑いで書類送検した。現場は(沖縄島)北部と発表されたが、詳細は明らかにされていない。県警が、9月5日午前、沖縄県の基地対策課に伝達したと報道されている。
これで6月に同様な事件が明らかにされて4件目となるという。12月24日に起きた事件が隠蔽されたことが、複数の事件を容易にした可能性がある。しかしこれだけ日常的であるかのように起きているとすれば、「犯罪続発の異常事態」(沖縄タイムス24年9月6日)の中で「綱紀粛正」を求めるだけでは、効果がないことも否めまい。抑止効果がないのだ。
問題はなぜこうなっているのかだろう。こういうことがあるようだ。「事件事故防止の徹底を引き続き米側に求める」と日本政府は言いながら、林芳正官房長官は、1997年に日米合意した「事件・事故発生時における通報手続き」に基づく米側からの通報の有無も「現時点では答えられない」としている。2ヶ月以上経っている事案を答えられないとは、従前通り曖昧なまま時をやり過ごすつもりだからだろう。米軍への思いやりが透けて見えてくる。
米兵等によるこうした犯罪が日本国の主権の中で明解に裁かれてこなかったのは、何故だろう。表沙汰になってこなかった事案は、数多いのではあるまいか。
私は4つのことがあると思う。米日関係の不平等な関係。米軍優位の関係であり、日米地位協定が支えてきた。しかし字面以上に、運用で米軍の意思を日本政府(外務省・防衛省)が優先してきたことがある。公然・隠然とあり、米兵もこうした実態を承知しているのだろう。
第2に、軍・兵隊と市民との関係。そもそも平等ではない。空から荷物を落としても、無関係と言い放つような実態があり、事故を起こせば、米軍が占領してしまえるような事実関係がある。市民を排除できるという大きな壁。
第3に、男女関係における性差別・ジェンダー不平等。男が指示し、女は従うような男の思い上がり。性暴力は、軍人だからでは済まない広範囲な問題だ。年齢・職種を問わない性犯罪の数々をみれば、納得せざるをえないことだ。性暴力は他人ごとではあらず。幼児からの性教育なしに根本的な解決は難しいだろう。
第4に、昨日今日始まったことではなく、連綿と79年間続いてきた壁(常識)は厚く、打開していく道は険しい。軍隊は、暴力を行使する組織であり、武力行使を正義だと考えている。79年間続いてきた公私混同。「綱紀粛正」とアンモラルな組織はどうしたら均衡がとれるのか。とれないだろう。
基地撤去と言わざるを得ない現実があり、男の性暴力(支配)衝動との葛藤から解決へも避けて通れない。セカンドレイプを許さないことも男が負うべき責任のひとつだ。
綱紀粛正を超える取り組みが私たちに求められている。性暴力を許さないアンテナを、コミュニケーションを広げていきたい。