ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

自衛隊統合演習⑥ 中城湾港、空振り、そして(20231118ー①)

2023年12月02日 | 中城湾港

2023年11月18日(土)曇 ① 中城湾口へ

 前日、中城湾港に南西海運の「千代丸」が入港しているとの情報が入ってきた。自衛隊はこれで何らかの物資を石垣島に搬送するかもしれないと私は考え、行ってみることにした。

 まだ私の体調は半端で「77番バス」で出かける自信がなく、高速バスで「池武当」(いけんとう)に向かう。そこから素早く東に歩き出した。

歩道に朽ちた切り株と黄色の花。8:53

国道329号との交差点美里を過ぎて、江州仲原へ。県道85号線を中城湾に向かって下りはじめる。

正面が中城湾だ。左上が勝連分屯地。奥の右側がホワイトビーチだ。艦艇のマストが見える。遠く霞んでいるので、不鮮明だが、天気さえよければ展望できる位置だ。10:02

10:03 前の写真のやや左側。右側の電柱の2本目左が勝連分屯地(丘の上)。クレーンが数台(手前の枝と重なり正確な数は不明)動いているようだ。天気が良い日に来れば、工事の様子を垣間見れそうだ。勝連分屯地まで直線距離で約7km。もっと近くで見える位置はないものだろうか。死角と距離と高低差。

勝連分屯地は陸上自衛隊の対空ミサイル部隊の中隊が置かれている(第15高射特科連隊傘下の第2中隊)。ここに来年3月、対艦ミサイル部隊を置く計画で工事が進んでいる。対空ミサイル部隊は、防衛網だ。しかし対艦ミサイル部隊は、防衛よりも攻撃、攻撃を仕掛ける部隊となる。これまでに石垣島、宮古島、奄美大島に、同様の基地建設が進んできた。与那国島にはレーダー基地が造られた上に、更に大幅な軍事拠点化が進められようとしている。

この国は島と島を結んでミサイル砲撃網を造り上げ、中国軍の太平洋への進出を押さえ込もうとしている。これは米国の覇権を何としても守り抜き、勢力の拡大を図ろうとするものだ。そうこうしているうちに「台湾有事」論が煽られてきた。力と力の張り合い、対抗力が島々を挟んでいく。「抑止力、対処力」の確立と言われているが、敵を圧倒する力の誇示がなければ、押さえ込むことはできない。そうして得られる(として)「経済権益」とは何か? 結局、軍事産業中心の身勝手な経済権益に過ぎないものだ。

住民からすれば、迷惑千万だ。平和外交ですり合せる対話力が問われているのに、力でゴリ押ししたら、どうなるのか。ここに生きている住民は、軍事化が進めば進むほど、常に受け身に置かれていく。住民・人々は、《生きていくのだ》という声をはっきりとあげていこう。

写真の解説に戻る。手前のパイプだらけの建物は中城バイオマス発電所だ。沖縄うるまニューエナジー。

坂を下りきると、もう中城湾港に近い。

下水道工事の標識だ。「不発弾探査」 下水管を埋設する為に、穴を掘る。その前に78年前の沖縄戦の不発弾の有無を丹念に調べないと、掘削できないのが沖縄島だ。10:18

橋を渡り、中城湾港に入る。ここから西へ右折。目指すは西埠頭。

西の門にあるのが海上保安庁第11管区中城保安部。沖縄島の東海岸を管轄している。新基地建設になくてはならない弾圧部隊となっている。鉄条網はこのためだ。10:48

左折。草が生い茂った歩道を行く。

西埠頭に怪しい船は居なかった。

11:01 管路とコンテナ。草色は鹿児島荷役(株)(本社は沖縄県浦添市)

11:04 南日本汽船のコンテナ。鹿児島県市志布志ー中城湾港の航路に使われているコンテナだ。

これはあくまでも一般的な話しだが、自衛隊が九州各地ー沖縄島ー宮古島ー石垣島などに軍事物資を搬送する手段は、こうした民間の手段が最大の力となっている。貨物の定期航路、随時の契約を結ぶ可能性のある会社について、私たちは下調べしておかなければなるまい。

11:10 南西海運のオレンジのコンテナと中城湾港運のコンテナ。

これも一般的な話しだが、海運会社(貨物船を運航)は、港運会社(荷揚げや荷下ろしをやる)などの系列会社を持っている。

防衛省・自衛隊(軍隊!)が民間会社を使うのは、自らの運搬手段を欠いているからだが、しれっと運べるという旨みもあり、防衛省御用達にしておけば、どんどん活用できることもある。但し契約には特約事項が付され、担当者・労働者には軍事機密が押しつけられる。危険物が走るだけではなく、軍事機密も走るのだ。

西埠頭に怪しい船は居なかった。私はぐるっと回る。

南西側の道路に左折。すると怪しい船が沖合に居た。米国海軍のドック型揚陸艦と見間違えた私。10時50分頃。

なんてことをメールしたら、「違うでしょ!」と一喝された。

11:24 ハッキリと見えた。海上自衛隊の「みくま」だ(FFM-4) 確かにステレスタイプだから、サンアントニオ級ドック型揚陸艦に一見似ている。しかし全然違う。このように横から見れば、明瞭に分かる。ドック型揚陸艦は甲板がさらっと全面に広がっている。ヘリやオスプレイを載せるから。これは後部甲板のみだ。全長132m。基準排水量3900トン。満載排水量で言うと5500トンだそうだ。様々な武装はステレスの壁に囲まれており、この距離から見えるのは、船首側甲板に速射砲がみえるだけ。

サンアントニオ級揚陸艦は満載排水量25800トン余り。全長208m。

11:35 ホワイトビーチに3隻が停泊しているようだ。

ということで私は中城湾港を出て、ホワイトビーチに向かう。

勝連半島に向けて坂を上がる。「みくま」だ。13:13

この母港は佐世保。私は10月5日に呉軍港(広島県)で見た(既報)。日本のドック型揚陸艦「しもきた」に随伴してきていた。「みくま」の陰にドック型揚陸艦ありかもしれない。「みくま」は近海専用の戦闘艦であり、機雷掃海もやる。揚陸艦の先導・護衛艦として最適なのだ。「みくま」は自衛隊統合演習の一環でホワイトビーチにきたのだろう。



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